憂国

 

 

尖閣諸島の魚釣島 中国では釣魚島と呼ぶ (国土地理院の写真から)

 

 

 

            憂国

 

 

  <民主党>

 何かと国内外が騒がしい。長く自民党政権下で、オリのようなものが溜まってきて、制度疲労や、仕組みの老朽化が激しくなったから、多くの国民は先般の衆議院選挙で民主党に多数投票し与党にした。何も自民党よりマニフェストがよかったからという軽はずみな判断などではない。より清新な感じが受けとめられた結果からである。その後余りにも強引で酷い国会運営や、政治と金の問題や、稚拙で幼稚な発想などに、国家存亡の危機感を覚えた国民は今回の参議院選挙で、民主党惨敗の結果に終わらせた。これはまことに健全な判断をする国民性である証明と同時に、民主党に対する叱咤激励のメッセージであったかと思う。私も衆議院では民主党に一票を投じた一人だが、参議院惨敗の責任を、菅総理は取っていないとして、民主党の代表を決める選挙が、金民主党を二分するようなカタチで激しい選挙戦が行われた。呆れることに、普天間問題や政治と金で辞任せざるを得なかった鳩山由紀夫前総理や小澤前幹事長の退任から、僅か三ヶ月に満たないうちに、当人の小澤氏の立候補したのだったのだが、小澤氏は選挙の惨敗を喫した。消極的菅指示が大勢を占めたためである。

 そもそも党の綱領がない政党はあり得ず、政党の綱領がない政党は世界ではあのナチス以外にない。左派もいれば右派もいる寄り合い所帯の民主党は果たして政党になっているのか。百年後の大計のもと、激しく議論をし尽くし、何としても民主党の綱領が出てくるのを待つしかないが、今のままではおニャン子クラブであると断じてもいい状態である。選挙期間中、小澤氏は何ら疚しいことはないと強気の発言であったが、それならば国会で証人喚問などを受け、政治の場で説明責任を堂々と果たすべきだろう。小澤氏の一貫した主張は逮捕権がある公的な検察の捜査によって、一年以上の取調べを受けてきたから、それで充分であるという主張であったが、それって国民を愚弄するにも程がありやしないか。国会軽視と受け取れかねない由々しき発言である。私が小澤氏の政治資金への疑念は陸山会の土地取引だけではない。新党を立ち上げ、そして壊し、それを繰り返してきた結果生じた政党助成金が残高0になっていることに対する深い疑念が存在する。ダム工事に対し談合を主導した疑いも強い。ただ政権を奪取し権力を得たいという信念に基づき、政局だけで生きて来た政治家は殆ど信用出来ないということも根深い根拠の一つである。水谷建設からの献金問題も有耶無耶であり、いずれにせよ国会証人喚問に応じ、堂々と論陣を張るべきである。菅総理から、しばらく黙っていて欲しいと言われた、あの一言は決して小澤氏の中で怨念として、今後とも大きく残って行くことだろう。

 新菅内閣の顔ぶれはなかなか面白い布陣である。実務型と言ってもいい。然し一つだけ注文をつけておくならば、何事に対しても、スピード感において激しく欠けている。今度の円高対策における金融緩和策や為替介入など、海外相手の施策にも大いに疑念がある。スピード感がないばかりか、戦術・戦略が全く見えていない。最近同志社大学教授の浜 矩子先生は1ドル50円時代を覚悟すべきであると大変興味深い論文を出されたが、今までのドルが高すぎたのか、中国の元が安いのか、世界の動向の中で見極め、世界戦術のシナリオの中で、日本は孤立への道を進むべきではないと、市場は本当に熱い警告を発している。雇用雇用というが、どこから雇用が生まれるかが曖昧で、国内の問題でも一向に戦略が見えないのが実情であり、ましてや円高対策など、遅きに失することは当然の帰結である。ねじれ国会の前にねじれた党内の議論を逸早く集約して然るべきである。セイフティ・ネットの構築は大事なことだが、それだけが前面に出ているだけでは、この国家は次第に埋没して行くだけである。

 

  <尖閣諸島領有権問題>

 尖閣諸島の魚釣島で操業していた中国漁船船長を、我が国の海上保安庁所属の巡視艇に体当たりし公務を妨害した(海洋侵犯の罰則規定がないため)ことから、その船長を公務執行妨害罪で逮捕しておいて、中国から矢継ぎ早に恫喝されると、直ぐに船長の釈放を決めた。沖縄地検の記者会見に、我が耳と眼を疑うような青天の霹靂!あの記者会見で、開いた口が塞がらない。司法は司法で独立して然るべきで、何も政治的な配慮など余計のヨッチャンである。一方仙石官房長は地検の独自の判断だとして押し付け、政府の関与を一切認めようとしなかった。何故このような決着がついたのか、まことに不思議な結果であり、到底納得出来るものではない。政治的決着をつけようとしたら、それ相応の、覚悟を決めた官房談話があってもいいだろう。否、寧ろ内外に対し毅然たる姿勢を見せつけることが大切な政府としての対応であって然るべきである。公判まで持ち込んで日本国領海であると宣言すべきである。レアアースを日本向け輸出不許可(WTO違反の疑い)を決めたら、途端に慌てふためいた。なかんずくフジタ(旧日本軍が遺した化学兵器除去のために派遣している)の社員四人が拘束されたことも、こうした無国籍判断となったのだろう。だが世界中から失笑を買っていることも合わせて申し上げておきたい。アメリカ政府はベタ褒めの処置であったと礼賛したが、米各誌では、「屈辱的な打算」と手厳しい論調が目立った。韓国の新聞各社も大きく報じ、弱腰外交の産物であると。但し韓国は自国にレアアース問題が飛び火しないことを願っていた。更に最も強く日本の手法に反発したのはASEAN諸国であった。西沙諸島問題南沙諸島問題を抱えるミャンマー・ベトナム・フィリッピン・インドネシア各国からの激しい反発があったのである。各国は既に軍事的に支配されている根拠は何一つないと反論しているし、現実に武力衝突も起きていて、中には実質的に軍事支配している島も多い。ここにも海底資源問題が隠されていた。全く歴史的な根拠もなく、中国は自国に絶対的に優位な領有権を主張し続けている。つい最近出来たばかりの中国の「領海法」が色濃くその影を落としている。まことに勝手な法律で、政経分離など幻想に過ぎなかった。中国は海軍を大幅に増強し、海の資源開発に躍起になっている中国国務院の政策は、それこそ覇権主義と言われても仕方があるまい。チベット問題だって、嘗て清王朝時代にチベットを強引に支配した過去があるというただその一点だけである。新しいダライ・ラマを漢民族の中から現ダライ・ラマの承認もなく、一方的に選定し、これを正当化しているが、チベット民族の誇りを根底から踏みにじるものである。ウルグァイ問題だって、そうだろう。新疆ウィグル自治区には多量の漢民族が雪崩れ込み、それもこれも既成事実化し、呆れるばかりである。新疆ウィグル自治区では核実験の殆どが行われた。まさに古代・秦の始皇帝時代から続く伝統的覇権主義と言っても全く過言ではないが、清王朝最大の皇帝であった乾隆帝時代の勢いを彷彿とさせ、まことに不気味である。

 今回船長を釈放後、謝罪と賠償を求めて来た中国は論外である。英雄扱いで帰った船長は再び尖閣諸島で操業したいと嘯いていた。歴史的に言っても、大半の島が日本人の所有者がいる尖閣諸島には中国との領有権問題など一切存在しないのである。但し1986年に東シナ海の海洋調査した中国はイラクと同等の石油埋蔵の可能性(イラクより多く、1000億バレルが主に日本の排他的水域に存在している)を分かってからであった。その後2004年7人の中国人運動化が魚釣島に不法上陸を果たしたあたりから、より一層先鋭化した。経緯を知らないイギリスBBCは、領有権問題が始まったと、その不法占拠を熱心に報じたほどである。更に日本の排他的経済水域のまさにその線上に、中国は独自に天然ガス油田掘削機を建設し導入。やっと鳩山政権下で、このガス田問題で、日中と話し合いの端緒についたばかりであった。それもそうだろう。当時鳩山由紀夫前総理は国境問題を話し合おうとまで述べていた。慌てた岡田外相は尖閣諸島には領有権の問題は存在しないと、改めて外相談話を発表し、これに反発した中国の極右組織は一斉にデモンストレーションしたのだった。困ったものである。国家観のない鳩山氏の軟弱ぶりが、今の菅政権の弱腰外交と、外交無知蒙昧ぶりを露呈している。それにしても中国の思惑は見え見えで、政権交代とかで党首選挙にうつつを抜かしている民主党の出方を試験されているようなものである。更に日米の間に割り込んで、亀裂を深めようとする策略そのものである。民主党のお値打ちを試されているだけなのだ。菅政権は世界中にビデオを公開し、中国の覇権主義を堂々と知らせるべきである。温家宝首相は国連議場において領土問題に突っ込んだ演説をした際、何故このように明白な事実を世界に訴え発信しなかったのか。民主党は野党であった癖が未だに抜けていないばかりか、一昨日のワシントン・ポスト社の記事によると、日本の新しい政権は幼稚で脆弱で、態をなしていないと痛烈な批判があったこと、私たち国民にとっても突きつけられた由々しき課題なのである。

 ここで分かったことは、経済的に急激に成長を果たしている大人の部分と、旧共産主義時代の幼児性の部分と、お互いに二律が拮抗し存在していることである。周恩来や鄧小平のような大物の政治家がいなくなった証拠であり、まことに淋しい。一皮剥いたら、北朝鮮の金正日体制と何ら大差はないと充分に思わせて余りある。よく中国を観察すると、地方から都市へ戸籍を移せないばかりか、今や格差が肥大化し巨大化しているためでもあり、今のバブルが弾けたら中国はどうなるのか、考えただけでもぞっとする程恐ろしい。今回の強硬な中国の対日政策には国民が持つ普段の不平不満に対するガス抜きとも充分に理解出来る。そしてグローバル化ということは、あらゆる分野で必ず格差を生む源泉であることも再認識させられた。国内の混乱は顕在化していないだけで、実はマグマのように想像を絶するほど巨大で、もはや後戻り出来ないのが正体である。改めて共産主義国家であると再認識させられたことであった。同じくワシントン・ポスト社の記事では、今回の問題に、改めて独裁国家だと根底から批判的であったことも書き添えておこう。考えて見れば多くの民人が哀れである。政府要人はとりわけそのことだけに腐心していることだろう。実は共産主義などではなく、官僚主義と断じてもいいくらいである。官僚連中の腐敗も相当なものである。中国を非難だけするのでなく、注意深く今後の動向を見る必要があり、ハナっから信用して産業を興してはならない。いつ何時、ヤレ搾取だ、資本主義だと言われて、隷属させられるか分からない。長い間、文化的には非常に多彩で大きな恩恵があることは確かだが、今の中国には、ご都合主義しか存在しないのである。こんな国家に拒否権がある国連の常任理事国として、まさに国連改革が必要であり、ドイツ・ブラジル・インドと日本の四カ国が常任理事国入りを目指しており、それが駄目なら国連そのものの存在が如何にも怪しいものだと喝破すべきである。まして長崎に原爆が落とされた瞬間から、連合国に参加し、満州を攻め、戦後処理の中で北海道の領有を求め、アメリカその他の国家によって、北方四島に絞って割譲せざるを得なかったソ連は如何にも汚い。今回中国で行われ、ドミートリー・メドヴェージェフ大統領と温家宝首相との会談ではお互いに領有権を勝ち取ろうという、実に低レベルな会談であり、その後大統領は北方四島に立ち寄ろうとした。天候の条件で果たされなかったが、必ず行くと断言している。北方四島問題を棚上げするばかりでなく、未だに詳細にされていない官民併せて57万人もの多くの抑留者問題を打ち切りにしようと躍起である。今年の9月2日(日本が太平洋戦争の無条件終戦条約を締結した日)、ウラジオストックやサハリンで大規模に行われたソ連兵の戦没者慰霊祭は盛大に行われ、それって一方的過ぎないかと大文句を言いたくなることである。ソ連が無くなり、ロシア連邦として新しい国家が形成されても尚、旧態依然のありさまである。だったらロシア連邦として初代大統領であったエリツィン氏の謝罪は何だったのか。この国家には「恥」の文化はないらしい。

 

  <アメリカとの関係>

 アメリカ国債を最も多額に買い占めている国家は中国で、世界で突出し、№1の地位にある。従ってアメリカは中国とは根底から争うことはないと断じていい。台湾に武器輸出するとか、イスラエルに対してやったように徹底して何も出来るわけがない。クリントン国務長官は尖閣諸島を安保条約の範囲内と言ったそうだが、一方のオバマ大統領は尖閣諸島と言う発言では明言しなかったが、温家宝首相と米中関係の修復のみに終始し、冷え切った関係であった米中関係を元の鞘に収めさせた格好である。沖縄にある海兵隊は、アメリカの自国民の救出のためにだけ機動するのであって、日本の領土問題など全くもって埒外な問題である。近年ASEANとの連携と連帯を強めようと、ASEAN各国の首脳をワシントンに招いたアメリカが、その時でも自由航行がいいのだと、何だかトンチンカンな解答に終わった。各国首脳は何のために呼ばれたのか、忸怩たる思いを共有し、殆ど判然としなかったのだろう。要するにアメリカがアジア地域において、中国ではなく、アメリカによってアジアのイニシアチブを取らんがため以外に考えられないことである。私はアメリカのグリーン・カード(今のカードは緑色ではなく肌色のカード)を持っているし、半年間いたこともあり、或る地区に自宅を持っている。日本での所得をアメリカを窓口にして、アメリカ国に納税し、日本での税金対策の一部としている。決してアメリカは嫌いな国家ではないが、アメリカ人の偏狭ぶりもよく知っているつもりである。それでも日米両国間は友好関係を持続して行かなければならないのか、実は甚だ疑問に思っている一人である。友好関係は由としても、今や安保条約は空洞化しているではないかと懸念を深めている。日米地位協定も曖昧な部分が多く、日本国民はこんなにも多くの犠牲を払ってでも堅持して行かなければならない理由は極めて希薄であり、未だにアメリカに占領されたままであるという実感が消えない。私にはそう思えてならない。しかもあの「思いやり予算」として拠出しているが、何に対して思いやりなのか、チャッチャラ可笑しい。アメリカの最も嫌な部分は武器利権と石油利権で成り立っている国家であるということだ。従って年中戦争をしていなければならず、片時も泳ぎを忘れないマグロと同様な存在であることである。我が子のために、永住権を残しておこうかと思ったが、返却しようかとも思案中である。アメリカによる核兵器の傘のもとに日本の繁栄があるとすれば、日本人は余りにも自国の存在について、少なくともプライドを完全に喪失していると言っても過言ではない。愛国心ですら言うには辛い今日である。サッカーの試合の時だけは愛国心があるらしいが、何たる屈辱的な所業であろうか。今はアメリカとの軍事同盟を根本から考え直してもいい時期に差し掛かっていると、私は思っている。

 

  <韓国と、竹島問題 そして拉致問題>

 竹島も日本固有の島である。今から約60年前、時の韓国大統領・李承晩が、李承晩ラインなるものを持ち出してきて、一方的に領有権を主張した。方やマッカーサー・ラインも厳然と存在し、幾度となくハーグにある国際司法裁判所で主張しあおうと言っているのだが、韓国は全くこれに応じず出て来ず、まさに現在軍隊を常駐させ実効支配をし続けている。仕方なくお互いの排他的経済水域内に、日韓両国の船舶が航行出来る領域を策定したのだが、既成事実を刻々と積み上げ、その水域内に、日本漁船が一隻も入れなくなっているのが実情である。更に驚くべきことに、島根県隠岐島まで近年領有権を主張する韓国の右翼団体がいる実態も明らかになっている。

 歴史的に観て、それこそ韓国と我が国家は切っても切れない関係にあるが、明治以降の日韓友好条約なるものが怪しいものであった。日本がアメリカからやられた不平等条約をそのまま締結した時点から可笑しくなったのだが、当時の韓国はアジアで鎖国を続けていた唯一の国家であった。それにしても秀吉の朝鮮出兵はどう考えても解せない。可笑しな挙動があったのは事実であるが、弥生人からして日韓の大切な友好関係は当然であろう。然もヨン様が登場してから俄然日本では韓国熱に侵されているご婦人が多い。韓流ブームはそれでも由としよう。でも私は韓国語の持つ横柄で、且つ小馬鹿にしたような抑揚は好きではない。ヨン様は特別その点が抑制されているから極めて稀で美しい韓国語に聞こえる。「恨(ハン)」と言う、あの国が持つ国民的意識は、あの国の歴史を充分認識させるが、元々立派な佛教者もいたはずである。儒教の国なのか、秦の始皇帝時代の焚書坑儒(ふんしょこうじょ)を由としトラウマとなり、決まった宗教観が根付かなかったのか、七不思議の一つである。一方にはクリスチャンが如何に多いか、驚きに値する。キリスト教でも、新興宗教化し、櫻田淳子氏の結婚でも明らかなように、どこか変なのである。日本のように独特な神佛混交として、密教と神道の融合のような壮大な物語はない。その事が韓国をして、日本帝国主義の犠牲になったものと思われ、まことに痛ましい。私たち世代は戦争の時はまだ生まれていなかったから、戦争犯罪の責任を負うべきではないとする主張があるかも知れない、だが相手が痛みに思っている以上、今後とも日帝の犯した過誤を見過ごしてはいけない。ひたすら謝罪し、何とか未来志向でお付き合い願いたいものだろう。但し韓国はもう少し柔軟に胸襟を開いても良さそうなものである。

 北朝鮮は言語道断で、まさか共産国家で世襲があるとは、お富さんではあるまいし、マルクスもびっくり!驚天動地の心地だろう。金ジョンウン氏(三男)が後継者として、大将の地位についた。党関係としては金正日軍事委員長の次席、副委員長に就任したようだ。先軍政治とは明らかに時代錯誤もいいところだが、驚くことに海外へ派遣している大使の数は相当なものであり、かなり強かな国家なのである。それにしても拉致被害者の多くの運命は哀れでならない。「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」(横田早紀江著 草思社刊行 1999年初版)を読んだ時にどんなに泣けたことか。早速私は少しばかりだが義援金を贈らせて戴いたが、まことにちっぽけなことしか出来ないのが悔しいのである。国民の大多数も哀れでならない。すべてが金王朝の犠牲の上にあることは明白であり、偶々ジョンウン氏が後継者となった以上、国際感覚を持った彼の舵取りに危うく期待するしかない。戦時中旧日本軍は韓国の女子大に通学しようとした女子大生を拉致し従軍慰安婦にした。言語道断な所業で、私は過去のことなれど、決して赦せないのである。憲法第九条を堅持する代わりに戦後賠償をしないで済んで来たが、ドイツのようにやはり何が無くともコツコツと賠償をすべきではなかったか。円借款などというあやふやなことで決着をつけることが今日の日本を曖昧な国家のままにしている元凶であると断じたい。それとこれは違うと言う意見が多いだろうと推測されるが、魂なくして何の経済大国だろうか。何の値打ちもないことである。ましてアメリカに日本人の魂まで腑抜けにされ、この民族はどこへ向かって行くのだろう。

 韓国・北朝鮮、いずれに対しても、彼らのプライドを傷つけることなく、毅然としつつ真摯に向き合って行きたいものである。永く時間が掛かることだろう。

 

  <今日の教育問題>

 現代史は授業の最後に当たる三学期に主に集中しているから、歴史学の教師から、ただ「読んでおけ」と言われて育った方々が大勢いらっしゃることだろう。現代史学を無視することは歴史教育として画竜点睛を欠くことではないだろうか。何故今の日本はこのようにして国際社会から敬意を払って戴けないのか、真剣に考えたことがあるだろうか。何処の国家に行っても技術大国であることは衆知の事実だが、我が国家を尊敬する国家は何カ国あるだろう。但しアフリカ大陸ではかなり評判がいい。ODAによる巨額融資も然ることながら、中国の投資のように、直ぐに利益を欲しがらないからである。中国という国家は直ぐ自国に吸い上げてしまう難点がある。遠い将来を見据えて、将来への投資や融資では全くない。直ぐに中身をガッポリ持っていってしまうからで、日本は日本独自で理性ある対応を今後とも維持して貰いたい一念だ。それにしても教育、取り分け学力に酷い差異が出来てしまった。安倍晋三内閣の時、戦後教育のレジュームとして、一度教育問題をリセットしようとした。アレこそやらなければならない問題であったと今でも信じている。日教組は竹島問題は韓国に帰属すると公言し、北朝鮮がやった拉致被害は日本が行った戦時中への当然の報復で、北朝鮮労働党に何ら過失など存在しないと嘯いている。日教組丸抱えの選挙戦を毎回続けている山梨教組の輿石東氏が語る「教師は政治的存在である」と言ったことは未だに撤回されていない。勿論個人としては当然のことだろうが、卑しくも教壇に立つ教師は中立的立場を貫くのが当然のことで、どうやらこの御仁は至極当然なことまで全く理解しようとはしない。老醜の恐るべき存在である。北教組の時代遅れの問題が噴出するのは当然である。日教組こそ、大人として自粛と自制があって然るべきである。一体全体どの時代を生きているというのか。

 私は今、ヨトリっ子を多く抱え、林業問題に立とうとしているが、ユトリっ子は何もいけない存在ではない。ただ一応に言えることは、皆自分が出来る範疇に対し、挑戦したり、脱皮しない習性と傾向にある。更に修練とか訓練と言う文字は全くないかのようである。これが戦後教育のレジュームそのものでなくて何としよう。辛抱強く彼らと当たっているが、当初からそのうち公用語を英語にすると言って、それが当たり前だと分かって貰うまで、何たる努力が要したことだろう。本を読む癖もない。ただ一時あった群れをなす行動が少ない。出来るだけ穏便に独りの世界に引き籠もろうとする。規則も嫌いな子が多い。集団生活に慣れようとしない。だがそれだけ鍛え甲斐があるのではないか。砂に水を蒔くように、ドンドン吸収するようになったのは入塾以来数ヶ月を要するかも知れないが、未だ半年も立たないうちに次第にそのような成果をあげつつある。決して彼らは悪くないのである。丹念にその必要性を説かなかっただけである。イギリス人教師連中もなかなか辛抱強くて頼もしい。私たちはまだその端緒についたばかりである。好きな先生はいたか、好きな課目はあったかという問い掛けに、殆どの子はなかったと述懐する。簡単な語学力と、日本史と民俗学を少々学んでいる。夏休み自宅に帰った子供たちが親を相手にスピーチしたというから面白い。毎週行くバスツアーで、里山めぐりもきっと楽しみなのだろう。ナラ枯れの山林を見て、中には泣いた子もいた。間伐もされないホッタラカシの山林に自分を重ねて観たのだろうか。密集してあった杉林を見て、一人の塾生がこれでは息苦しいなぁと歎息したのには驚かされた。徐々に林業分野の専門家を交え、一緒に頑張って行く覚悟と決意を固めさせる状態になるであろう。戦後教育の問題を私は私塾で実験し成果をあげたい野望を持っている。

 

  <子育て支援政策と、農業の戸別保証制度 その他>

 子育て支援のお手当てバラマキ政策は一体何を考えてなされているのだろう。多くの所帯では、受けた分だけ控除がなくなって、逆に支出が多くなったと零している方が多い。嫌、そればかりではない。乳幼児の施設がないから、特にシングルマザーは絶望的な努力をしている。私的施設は馬鹿っ高いばかりか遠く、多くの子供たちは入所待機までさせられている。そして最も問題にしたいことは、子供が欲しくても出来ない若いカップルの問題である。寧ろ税金が高くなり、あろうことか不妊治療は莫大な資金が掛かることである。平等を歌うなら、不妊治療を無料にするとか、一定水準の援助をするとかならなければ、全く不平等そのものである。主に大都市近郊の駅近くに、空いたスペースは幾らでもある。それを利用し何とか待機児童を解消出来ないだろうか。子供手当てはまさに不平等の極みである。根本から考えるべきである。

 農業の戸別保証制度は旧態已然の、貧困な農業政策の継続に過ぎない。農業先任者はこの五年で22%以上も減少し、従事者の平均年齢は初めて65歳を突破した。農業は国家の根本であり基礎中の基礎である。ただばらまけばいいのではない。変える制度は幾らでもあるだろう。若い人で農業に従事したい人だって実に多い。だが農地は売買の対象にはなっておらず、売買が赦されるのは、身内か専業農家が対象である。雁字搦めなのは、そうした多くの規制であり、根本から制度設計をしなければ、何一つ解決はしないだろう。優秀な農業の先輩に教えを受け、後継者にこと欠かないようにすべきである。大型チェーン展開している業者しか農産物の値段を決められないことも大問題である。直産方式や、或いはJA(旧農協)が何処かの大店舗展開をしている業者を買収し、そこに集約する方法もある。様々な試行錯誤があっていいだろう。戸別保証から見放された人は限界過疎の方々で、260万人ほどの専業米農家のどのくらいが恩恵を受けるか分からない。それだけでは不平等である。水産業に至ってはたった22万人しかいない。漁獲高が減っていることも確かだが、ここも水産業への従事者が少なくなっているのである。世界一豊富な資源に満ちた日本の美しい海を、人の手でしか盛んにする方策はないのである。規格に合わないものは市場に出ないことも問題である。それこそ安売りでも幾らでも売れそうなものである。林業においてはもはや死に態である。どうにもこうにもならない末期的症状である。杉林は間伐をされないばかりか、全く人の手が入っていないから、鬱蒼と繁るだけで、樹々の間から木陰さえ入らないのが一般的だ。グローバル化は恐ろしい差別を生み、格差を生んでいる何よりの証拠である。私たち櫻塾は、ここを最も重要な分野と位置付け、先ず林業従事者の育成から始めているのである。あやふやな政治などに負けてたまるか。

 今回の民主党代表選挙で驚いたのは小澤氏が原点回帰を標榜したことである。ガソリン税の値下げを散々選挙で、叫んでおきながら、国民の声だとか言って、一声でひっくり返した張本人が衆議院選挙の時のマニフェストに帰るべきだと言ったから唖然として観ていた。出来ないことを出来るとか、財源に自信があるとか。だったら幹事長の時、どうしてそれを実行しなかったのか。国民を欺くのもいい加減にして欲しいと願っていた。幸い小澤氏が落選したからいいようなものだが、政治家として私は最も嫌いなタイプである。彼が尊敬する田中角栄は誰彼なく面倒見のいい人ではなかったか。民主主義は数が絶対条件というのは構わないが、決してそればかりではなかろう。田中角栄の半分もないのが小澤氏である。親分~子分~半分の順序になるとすれば、半分以下であり、早々に引退を早めて欲しい。菅総理にふられ、「僕は何だったんだろう」と言った音羽御殿の若旦那も、自らが公言していた通り、もはや政治の表舞台から去って欲しいのである。トロイカなどと胡散臭い。トロイカ方式に登場したすべての政治屋はさっさと去っていって欲しい一念だ。

 高速道路無料化問題も可笑しい。淋しいところだけを実験とか称しているが、何が実験なのだろう。今殆どの方が問題にしていないが、東名高速道路の主要な路線は道路本態がボロボロで老朽化しているのが喫緊の大問題である。舗装面の直ぐ下の補強面が腐食し、所々ヒビが入り、ウラから廻れば腐食面が垂れ下がっているのである。全長何キロだと推定しているのだろうか。首都高や東名全線がその対象となっているのに。これを直すのに、どうやって行こうとするのか、真剣に取り組めば、その財源として今のままの料金でも国民は納得し協力するだろう。一刻も早く手当てしなければ、近いうちに大変な事故が起きるに違いない。ポピュリズム(大衆迎合=ナチズムはこの典型)の政治はあってはならない。選挙目当てのマニフェストはさっさと引っ込め、確実な成長戦略を打ち出して欲しい。日本が沈没しようとしている時にヤレ自民党の時代はどうだったか、とか、我々民主党なら何でも可能だとか、政党間の争いはどうせ机上の空論であり空しいものだ。隠れた含み財源の探査もいいが、早く民間並みの公務員の給与にするか、人員の削減に励んで欲しい。毎年多額の納税をする者に馬鹿馬鹿しいと言わせないで欲しい。ワシントン・ポスト社の社説で、幼稚で統治能力に欠けた政権であると冷酷に酷評された政権の時期ではなかろう。イラ菅ではなく、私たち納税者がイライラしているのが現状である。

 多くの若者とともに希望と夢に満ちた日本に導いて行ける堂々たる政治家はいるのか。尖閣諸島問題こそ政治主導でやったと堂々と白状するべきである。そして明確なメッセージを世界に向け遠慮なく発信して欲しいのである。頼りなさげな、底なし沼の一歩手前の、そんな匂いを一刻も早く消し去って、前へ前へと進むべきである。レアアースは代替は20種あるし、その分野の研究も進んでいるから、どうぞ遠慮なく正義を貫いて欲しいのだ。(次回 我が国の安全保障問題)

 

 

 あなたとともに 生きていたい!

 

 

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