再びさくらちゃんにレクイエム

 

 

 さくらちゃんの遺影

 

 

 

             さくらちゃんへレクイエム

            ~天国のパパとさくらちゃんとの交信記録~

 

   第一プロット

   天国で、パパとさくらちゃんが再会した場面

   第二プロット

  パパとさくらちゃんとの交信

   第三プロット

  居なくなったパパとさくらちゃんの思い出

  第四プロット

  穴埋めするママ そして再生するママ

  パパとさくらちゃんに再会を約束するママ

 

  第一場面 天国でパパとさくらちゃん 再会す

  パパ;;お~い!ママよ、元気かぁ~~い。こっちに来たらすっかり体調もよくなって、元気いっぱいだよ。ただなぁ、まだまだ遣り残した気がいっぱいありそうな気がして、どうしたらいいのかぁと悩んでいたら、ラグビー仲間たちや先輩たちの、いつもやつ等から、何だよ貴様らしくないぞって、エラク叱咤されてしまったんだよ。そこでな、僕から毎日どんな瞬間でも天国からママへ、元気の気を送ることにしたのさ。だってママともっといたかったじゃない。それが一番の心残りかなぁ。ママァ!どう?そんなわけで最近元気が出来ているだろ。たったいっぺんの人生だもんな。日々を君と過ごした時のように、大切に生きていたかったよね。そんなことで、少し元気が出て、やっと立ち直った時、驚くことに、さくらちゃんが突然やって来たんだ。鼻がいいからなぁ。真っ直ぐ僕のところに来たってわけさ。そしてね驚くことに、ピンピンしてて、どっこも悪くないんだよ。呆れるほど元気でじゃれついてるんだよ。待って、今さくらちゃんと変わるからな。

  さくらちゃん;;ママァ、さくらでぇ~すぅ。さくらがこっちに来てから、ママはどうしてるだろうと、毎日心配で心配でどうしようもないの。ワンちゃんだけの天国の入り口に「虹の橋」って場所があってね、そこには生きている時、物凄く苛められてたり、不幸なワンちゃんがいっぱいいるの。でも皆平等で一緒に仲良く遊んでいるんだ。だからそこで少しでもお役にたてればと思ったんだけど、親分に頼んで、パパのところに行くって許可を貰ってさ、パパを探して歩いたってわけさ。いっぱいいっぱい人がいるんだけど、誰もが幸せそうにしてるから、安心してゆっくり探してたんだぁ。そしたらね、すぐパパが分かったよ。だってパパは大勢の人の輪の中心にいたからさ。でも何だかモノ欲しそうにしてキョロキョロしてたから。きっとさくらのことかなぁって察したわけさ。パパの匂いもすぐに分かったの。パパに逢ったら、j十三年ちょっと一緒にいた分お顔をペロペロしてしまったよ。あはははは!パパは大喜び。今はね、パパがどっしりアグラをかいて、さくらのことをずっと抱っこしっ放しなのさ。さくらも幸せぇ~~~。

  パパ;;どう?ママ!さくらちゃんもハッピーな様子だろ。だからママ、安心してしっかりしててね。さくらちゃんと二人で、ずぅっとずぅっと気長にママがやって来るのを待っているからな。

  さくらちゃん;;ママを独りで残して来て、さくらはとっても心配。だってペットロス症候群になってやしないかと。きっとママのことだから、私たちのことを胸の奥にしっかり詰め込んで、元気にしてくれると信じているんだけどなぁ。ママァ、どうかお元気にしてて下さいね。

 

  第二場面 パパとさくらちゃんの交信

   ママ;;あのねぇ、私はへこんでばっかりはいないわよ。大丈夫。ただね、パパが亡くなった時、あんなに壮大なお葬式しなけりゃよかったと思ってるの。だってあんなに大勢の方がいらっしゃったら、私だけのパパでいてくれないんだもの。パパはいつも立派でした。さすがは鍛え上げられたスポーツマン。ママの自慢のパパだったのよ。ただね、そちらに行ったら苦しさから逃れると思い込もうと一所懸命なの。だから今のパパとさくらちゃんの気持ちを聞いて久し振りに安心し晴れやかな気持ちになれたわ。いつも夢を見るの。パパとさくらちゃんの夢をね。パパが亡くなって、想像以上の穴がぽっかりあいたんですもの、私のほうが驚いてるの。さくらちゃん、パパに抱っこされてよかったねぇ。あなたがいつも座る場所もそのままにしてあるわ。片付けることなんか出来っこないの。そしてね、パパ!怒らないでね。さくらちゃんが逝っちゃってから初めて気付いたのは、パパの時より、私の心に、ぽか~~~んと開いてしまった穴が大きいのよ。それだけに困るわね。ペット?友人?家族?ぅうん、どんな言葉の形容も全然あてはまらないの。それが不思議ね。パパの笑った素敵な顔も最高によかったけど、さくらちゃんは、パパのお話も、私のお話も何でもかんでも本当によく聞いてくれましたネ。本当にいい子だったわ。いつもパパやママと行った散歩道を、今はママ一人で見ては泣き、さくらちゃんの好物を見ては泣き、さくらちゃんの雨降り嫌いは私も嫌いになっちゃったのよ。どういうのかなぁ、ママの心に二つ分以上にぽっかりと開いた穴ね、どうしましょう。埋められるのかなぁ。

 

  第三場面  居なくなったパパとさくらちゃんの思い出

  ママ;;さくらちゃんが、家に来た時はまだちっこいワンちゃんだったわね。パパと話して直ぐに「さくら」って名前をつけたのよ。だってパパのラグビーの思い出分かるでしょ。全日本ラグビーチームの胸のエンブレムはさくらだもんネ。パパは凄くエツに入ってた。あなたが家に来てくれた後は、私たちの生活は一変したのよ。明るくなったし、ぅうん、いつだって明るかったけど、それ以上になったってこと。パパはお酒のツマミに出てくるモノを直ぐ上げたがり、ママは反対したの。だって人とおんなじモノって、ワンちゃんにあげるのは、絶対にさくらちゃんの健康を害するからね。その時ぐらいかなぁ、あなたがワンちゃんだってことを唯一意識したのは。パパはお友達がいっぱいいて、会社勤めも楽しそうだったし、スポーツって言えば何でもござれだったもんね。野球もサッカーも、もちろんラグビーは最高だわね。個人競技よりは団体スポーツが好きだったかも。会社でもチームプレーチームプレーって言って、一番大事にしてたもの。お風呂に入れるのを、いつもさくらちゃんをパパが一人占め。さくらちゃんは温めのお風呂が大好きだったわね。お風呂に入って鼻歌がはじまると、さくらちゃんはいつも耳栓して大人しく聞いてたね。綺麗にブラッシングしてあげると、惚れ惚れするような色艶。さくらちゃんも気持ち良さげだったわぁ。リード線を嫌いだったじゃない。そして大きなワンちゃんに出くわすと、さくらちゃんたら、ママ抱いてって目で言うんですもの、まぁ当然だわね。お医者さんに行って、予防注射も大嫌いだったわ。ママも嫌いよ。パパったら、スエーバックや並足やギャロップや色んな技を教えようとしたけど、結局さくらちゃんはお手とお座りが早いうちから覚え、大得意。それが出来たんだもんね。いいのよ、それで。ドッグショーに出るわけじゃないし、ねぇパパ!

  パパ;;そうだよそうだよ、ママの言う通り。パパだってさくらと別れるのがどんなに辛かったかしれやしない。偶にトリーマーのところに行ってくれたから、それだけでも十分さ。パパの思いを、さくらちゃんはいつも聞き役だったから、可愛いったらありゃしない。何でも聞き役だったね、ねぇママだってそうでしょう。私たちの間の完全に入っていたんだから。子供たちは勝手に彼女を作って出て行っちゃったしね。さくらちゃんは勝手にすることはなぁ~~にもなかったもんね。ママは爪切りや耳掃除も上手だっただろう、ぅんさくら?

  さくらちゃん;;ママは何でも上手だったから、何一つ不自由しなかったよ、ぅへ~~ん!犬冥利につきたなぁ。パパったら、今私のことを一人占め出来るんだから、いつもニッコニコさ。私がダンダン弱って来た頃、遠くからお医者さんが来てくれて、ママは自分のことより、本当によくしてくれた。ママだって、ある時期から、半分以上覚悟してたはずなのに、今のママはママじゃないみたい。ねぇママ、元気を出してネ。

  ママ;;そうよね、いつまでも泣いててはいけないわね。でも大きな穴の次に更に大きな穴がポッカリ。ママは泣く以外に、今は何も出来ないわ。あのね、お喋りな小父さんのご夫妻がね、先日パパとさくらちゃんのお仏壇にお参りに来てくれたの。その人はね、学生時代にたくさん小説を書いたらしい。その中にね、「犬を捨てる話」っていう短編小説があるらしいんだけどね。不妊治療を受けていた仲のいい夫婦のお話だって。結局子供は出来なかったから、親戚から雑種の子犬を貰って来て、何と十六年も一緒に暮らしたんだって。普通犬って十四年が平均寿命だけど、長生きしたのよねぇ、その子。最初は子供のつもりで飼ったんだけど、次第に夫婦の会話が少なくなって行き、その子の最期あたりにはね、犬を通してだけ夫婦の会話があったっていう、現代の孤独さかなぁ。そんな内容なの。そしてその子が死んだ時、川が大好きなその子だったから、川に葬るために橋の上から二人で一緒になって、亡くなった犬を欄干から捨てたらしい。その後ね、その夫婦は突然別れてしまうお話らしい。何か分かるような分からないようなお話だわね。そんな不吉なお話には私たちは関係ないわね。結局パパにとってもママにとっても、そのお話のワンちゃん以上に、とっても大切な子がさくらちゃん、あなただったのよ。ねぇパパ!

  パパ;;うん、そうだよ。パパもママも別々に色んなお話をしたけれど、さくらちゃんは何も言わずに、ちゃんと全部聞いてくれた。パパだって辛いことが多かったんだぞぉ。ママには言えない社会の辛さだってなぁ。ママだって、パパに言っちゃ可哀想だと思ってることも、さくらちゃんには言えたんだろ。パパは、全部は知らないけど。パパとママが仲良しだって、さくらちゃんが一番よく知ってるものね。二人の間の象徴かなぁ、大袈裟?あはははは!ねぇママ!

  さくらちゃん;;ううふ、嬉しいなぁ。(パパにスリスリ)

 

  第四場面 パパとさくらちゃんに再生を約束するママ

  さくらちゃん;;ママったら死ぬのが酷く恐いらしい。ママはいつも元気だから分からないんだろうけど、私は大きな病気をしたでしょ。あの時ねぇ、難しい言葉で言えばさぁ、臨死体験をしたんだぁ。麻酔が効いて行く瞬間かなぁ。すぅ~~っとね、その瞬間って結構甘美なものさ。誰だって経験するんだよママ。そんなに悪くはないねぇ。死ぬ直前にね、どうしてもママにご挨拶したくて、ようやくやっとこさ、首をちょっとだけ持ち上げて、ご挨拶したつもりなの。でも届かないからと思って、涙を一滴だけ零したよ。多分気付かなかっただろうけど。市役所にお届けした時だってママが可哀想で堪らなかったのさ。ちゃんと火葬してくれて有り難う。お陰さまでパパと出会って本当に幸せです。

  パパ;;それはいけないなぁ。死ぬってぇのが恐いうちは、こっちにまだまだ来ちゃいけないよ。穴が大きく開いてるって言ったよな。でも僕の思い出いっぱいあるよね。さくらちゃんの思い出も数え切れないぐらいにね。それら一つ一つを固まりにして、いわば硬く絞った団子状にして、穴に目掛けて、目いっぱい埋めなさい。全部埋めらるには時間がタップリ掛かるよ。どうにかこうにか埋まった頃には、きっとママも淋しさが失せてるでしょう。まだまだ何年も掛かるよ。それでね、ママね、周りの人たちに迷惑を掛けるのも大事なことさ。お互い様だもん。子供たちにだって、ママ!偶には甘えなさいよね。僕が出来なかったことを、いっぱいして欲しいんだ。そしてね、孫ちゃんがいっぱい出来たなら、どうかどうかその子たちの成長を見守って欲しいの。そしてそういう楽しいことをいっぱいママから聞きたいからな。さくらちゃんと一緒にね、僕たちはいつでもずっとここにいる。焦らずともいい。きっと見付かることが出来るんだから。

  ママ;;そうよね、あなたは出来なかったことが何一つないと思っていたけど、あなたに出来ないことで、私が出来ることだってきっと何かがあるわよね。今は何を見ても泣けるだけだけど、立派に生きることは立派に死ねることなのね。覚悟っていうか、パパはそれを言いたいんでしょ。分かったぁ。私、きっと立ち直ってみせるわ。そして約束する。死ぬのが恐くなくなったら、堂々と生きて死ぬわ。あなたたちのように、いとおしいさくらちゃんのように、死に様ってあるわね。きっと。堂々と、しゃきっとして頑張って生きて行くから。パパ、さくらちゃん、ママはそう約束するわネ。身一つで堂々ともう一度っていうか生き果てて、それから再会し、永遠の家族になりましょう。それまでは再来!

 

 (愛するご主人に先立たれ、そしてパパと一緒に可愛がっていたチチワのさくらちゃんが亡くなって、我が尊敬する御方が日々泣いてばかりいます。ペットロス症候群というのだそうですが、愛するペットの死とは我が身のどこかがスッポリと抜けてしまうようで、大変深刻なようです。私の経験上同じようなことがありました。そこを何とかお慰め申し上げたく、上記の文章を作成し、昨日ご送付申し上げました。どうぞお元気になって戴きたいと強く念じています。傷に塩をこすりつけるような行為でないことだけを願いつつ。~櫻灯路 代筆 庵の軒下)

 皆さまにご報告があります。今朝さくらちゃんのママより、何度も読んで何度も泣かされて、そしてそしてですよ、元気を貰ったと言ってくださいました。何て嬉しいことでしょう。でもこうした喪失感は永く続くものです。井伏鱒二の「さよならだけが人生だ」の通りです。でもさくらちゃんのママに今後ともケアに務めて参りたいと、心に決めています。皆さまからの励ましのお便りをたくさん頂戴致しました。本当に有り難う御座いました。だんだん!

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