散骨 そして樹木葬

 

 

 

福音館書店刊 「ピーター・ラビット 全おはなし集」 豪華愛蔵版

 

 

 

          散骨 そして樹木葬

 

 三年前に、福音館書店からピーター・ラビットの豪華愛蔵版が出版されている。ビアトリクス・ポターさく・えで、翻訳や編集はいしい ももこさん、まさきるりこさん、なかがわ りんこさんである。題して「ピーター・ラビット 全おはなし集」。殆ど網羅され、適切な解説までついているので、8500円とは少々高かったが、納得し、即購入して、長女の杏にプレゼント。ところで杏は一向に気に入らない。「ほわぁ~い?」と問い質すと、「びっぐびっぐ りるるぶっくしゅき」と日本語と英語のちゃんぽんで答えが返ってくる。そうっかぁ、ビアトリクス・ポターが考えたこの大きさが子供の手に掴めていいのかと改めて思い知った。でも杏が大きくなった頃、きっとこの本を愛してくれるに相違ないと無理強いすることなく、杏の本棚にそっと挿んでおいといた。杏はまだ満二歳。

 さてビアトリクス・ポターの遺産相続について前回カタチだけ書かせて戴いたが、4000エーカーの湖水地方の彼女の土地と、15もの農場も、多くの家屋もその殆どはナショナル・トラストに寄贈されたもので、今日のナショナル・トラストを大幅に自然保護の観点から評価に値する彼女からの寄贈である。1941年、ナチによるイギリス上空からの空襲が頻繁に行われるようになると、ビアトリクス・ポターは最も親しんだソーリー村へ原画の全点を保管することに。第二次世界大戦中にも関わらず、このピーター・ラビットのシリーズは本当によく売れた本であった。翌々年の1943年12月22日、ソーリー村のカースル・コテッジで、波乱に満ちた77歳の生涯を閉じた。そしてビアトリクス・ポターは遺言によって、ソーリー村の小高い丘に散骨されたものであった。

 私たちの亡き主人も散骨されることを望み、今もご自宅のお仏壇には彼のお骨がパウダー状になってジェラルミンの円筒の中にあります。私たちの櫻山には、既に四年前から育んでいる根尾谷の淡墨櫻が数本ありますが、傾斜地で水捌けがよい、日当たりもよい場所を選んで、淡墨櫻の子孫樹のもとに散骨させて戴くことにしています。主人が愛したのは澤村貞子さんのエッセイなどでしたが、彼女も又相模湾にご散骨されています。潔いことが好きな主人らしく貞子さんのようにして欲しいというものでした。毎年河津櫻が満開になる二月頃、櫻を見に行った帰りは沼津で、櫻海老の分厚い掻き揚げを戴くのが通例でしたが、櫻海老の中に貞子さんがいらっしゃるように思えて、再び私たちの中に生きてるよねと主人がよく、そう言っていました。

 ボクシングの元世界王者であったガッツ何とかさんは故郷に錦を飾るように、金ぴかで豪華な自らの墓所をテレビで公開されていました。蓼喰う虫も好きすきですから、お他人さまの為されることに嘴を挟みませんが、狭い日本の国土に喩え一坪でも永久に自らの墓所があってもよろしいのでしょうか。大抵の方は亡くなってから百年以上も古人を噂し供養することが少ないでしょう。万葉人は皆優れた歌を詠んでいますが、殆どの方の墓所はありません。天然自然に帰ることが最も自然なように思えるのです。

 主人のお骨を散骨するのもいいのですが、ご希望の方がいらっしゃったら、櫻の花のもとに眠って戴けるように、私たちは努力したいと願っています。今日9月13日は、偉大な宗教実践者であるマザー・テレサの国葬があった日です。平成9年(1997年)9月5日に亡くなられたのですが、この日の国葬にはあらゆる宗教者が国葬に参加し一万人にもなっていたと言われています。よく生きるも難しいけれど、よく死ぬことも多分難しいことなのでしょう。アメリカの同時多発テロ事件からまる9年が経ちました。我が友人の犠牲者の中にいました。関係各位に対し改めて哀悼の意を捧げます。ところでそのグラウンド・ゼロの近くにイスラムの教会が作られようとしていることに、多くの国民から猛反発されているとか。キリスト教の宗教者がイスラムの教典であるコーランを焼こうとしていたり、全く他愛ないことに熱中するもので、決して武力ではアフガンのハッカーニたちを鎮圧出来ないことをとっくに知っている筈なのにどうしたことでしょう。第二次世界大戦の時、多くのアメリカに住む日本人が強制収容所に入れられ、劣悪な環境の中で散々な目にあっている多くの人がいますが、当時と少しも何も変わっていないのでしょうか。原爆投下は当然の正義であると言っている60%もの国民が現在のアメリカなのですから、文字通り恐れ入ります。情けない話です。

 

 

 

 ポターの没後発行された淡彩風の絵 こういうあっさりした絵も素敵で大好きです

 

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