初午 京都・伏見稲荷神社にて

                                                         千本鳥居
 
 
 
 
 
 
初午 京都・伏見稲荷神社にて 
 
 
 
 
 
今日八日は『事始め』で 愈々農家では作業の準備に掛かるのであろう 又針供養も方々で行われている
 
異説として釈迦誕生の日でもあり 南周りした小乗仏教では 異説を採っていたり えっ思えるような誕生日があったり様々だ
 
ところで最早ブログの話題としては遅くなったかも知れないが 先日京都の伏見稲荷大社では 初午(はつうま)が厳かに行われた
 
初午とは 和銅四年(711)の初午の日に 稲荷大神が初めて稲荷山三山に鎮座したことから始まり
 
古くは平安の御世から 営々として引き継がれて来た初春第一のお祭りとなっている
 
不思議なことに お稲荷さんは神社本庁とは一切関係なく 独自にここ伏見に本庁を置いている
 
よく考えて見れば直ぐに納得出来るのだが 何と言っても日本で最も多い神社数がこのお稲荷さんなのだ
 
一説には二万とも三万とも言われているが 一般人の邸内に御祀りされてあるお稲荷さんも考えたら途方もない数になるだろう
 
 
 
然らばそれほどの信仰を勝ち得た背景にある稲荷信仰とは 何を指して言うのだろうか
 
― 稲荷神 ―
 件神社立始由慥無所見
 但彼社禰宜祝等申状云此神和銅年中始顕坐
 伊奈利山三箇岑平処是秦氏祖中家等抜木殖
 蘇也
 即彼秦氏人等為禰宜祝供仕春秋祭等
 依其霊験有被奉臨時御幣相次
 延喜八年故贈太政大臣藤原朝臣
 修造始件三個社者
 
このように『年中行事秘抄』には 上記の一節が書かれてある
 
禰宜・中家が秦氏の祖と書かれているが その秦氏の祖で稲荷神社創建に深く関わっているのが 秦伊呂具で
 
但し伊呂具は秦氏の祖ではなく 言わば中興の祖であったのかも知れない 
 
伊呂具は 初代で渡来人の秦大津父から 二百年の時を下った人だが 彼によって創建された神社で間違いはない
 
秦氏の祖・秦大津父は 優秀な技術や知識を持っていて 天皇からの信頼が篤く 今の太秦周辺に村落を構えることを許されている
 
秦氏に伝来された技術力や技能や知能は永く評価され 言わば秦氏の氏神の様相を呈して創建されたものではなかったろうか
 
歴代の天皇家から 何かにつけ重用され 歴代天皇誕生の幾つかの逸話にも関わって 時々登場して来るが 
 
いずれにせよ天皇家の伊勢の神宮そのものではなかったし 民間信仰の長と言った方が適切ではなかろうか
 
飢饉を救う高い技術力 グローバルな世界観 そして知識 秦氏系統が持つこれらの 庶民は霊力(パワー=稲荷信仰)にあやかろうと
 
一般庶民始め高貴な御方まで 商売繁盛・交通安全・家内安全・厄除けなど身近な祈りの中に 稲荷信仰が存在していた
 

                                                   伏見稲荷 第二鳥居と楼門

 

秦氏の渡来事情は実は明白ではないが 創建当時の記録も極めて少ない だが前述のような伊呂具との関係は全く否定出来ない

蟻の行列のように行ったと言う熊野詣でなどでは 京都から熊野までの道のりを考えたら 危険がいっぱいで 行き倒れする者が多かった

そこで熊野詣でをする人々は 行きも帰りも必ず伏見社にお参りし 『しるしの杉』を奉じて 笠などにつけ護身用として出掛けた

又教王護国寺(東寺)の創建の際 唐から戻ったばかりの空海に 建設が遅れている造営を任せられるが 一つの事件が起きた

何と伏見社に無断で杉の木を伐採し材料としたのだ 伏見社と争いになったが それを知った空海が丁重に詫びを入れ 

東寺にも 伏見稲荷の守護を心底から願いあげるのだった この事件は稲荷大社が全国に波及する上で最大の出来事であり 

伏見社にとっては勿怪の幸いであったのかも知れない 空海その人は既存の神道に深く関わり 取り入れたことでも有名である

 

                                                             狛狐

 

然も稲荷信仰は 民間信仰の長として役割が大きかった上に 稲荷神社系統にはすべて狛犬が守護しているのではなく

狛狐であるのだが 二匹の狐を救ったとされる秦氏の先祖の故事来歴がそうしているわけで それだけにご利益があると言うものだろう

更にお稲荷さんに逆らえば『祟り(たたり)』が怖いと言う恐怖心とか 当時としては渡来人に対して物珍しさもあったのではなかろうか

伝承や伝説も数多く存在していて 『将門伝説』のような怖さを 現代の我々にもそうした心情が少なからず持っており 

お稲荷さんこそ最も身近にも感じられ 結局我々の通常の生活に一番密着しているように思われてならない 

 

節分・立春大吉・初午 そして本日の針供養が終わって『事始め』である 長い正月気分は完全になくなり

真剣に普段の生活に関心が向いて来るような時期に当たる 初午とはそうした大切な節目になっているのだろう

 

                                                        キツネの置物

 

 

http://www.inari.jp/index.html 伏見稲荷大社公式ホームページ
 
http://inari.jp/b_shinko/b01a.html 稲荷信仰や沿革など詳細に書かれてあります
 

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