節分 吉野・蔵王堂の節分会と鬼火の祭典

                   武田高明の赤膚焼き 透火器 平成18年2月2日 吉野・蔵王堂の『鬼火の祭典』に出品

 

 

  節分 吉野・蔵王堂の節分会と鬼火の祭典

 

 

櫻で著名な吉野山は 修験者の一大聖地として つとに知られている

開祖役小角(えんのおづの=役行者とも)は 幼少から諸国の山岳を行脚し 山岳を修行の場とし 最終的にここ金峰山で

蔵王権現を感得したことから 吉野の中千本にあるこの蔵王堂を 何と早くも白鳳(7世紀後半)の御世からご聖地にしている

 

役行者に関する文献は極めて少ない(妖術を使うとして罰を受け 伊豆に配流された文書しかない) 但し生き生きとした多くの伝聞があり 

後に光格天皇から 『神変大菩薩』の称号が諡号(しごう=生前の行いに対して死後贈られる贈名)されたように絶大な信頼があったようである 

配流された時の誤解は解け 放免され 再び修行に出たようであり その後に蔵王堂で蔵王権現さまを感得したと言われている

 蔵王堂のご本尊である蔵王権現は役小角自らが彫ったものらしく  そのお姿は櫻の木に刻んだものであり

現在 山上ヶ岳(現・大峰山本堂)と山麓の蔵王堂に祭祀されている その事から里人は櫻をご神木とし 参拝に参る度に 

櫻の苗木を吉野山一帯に植樹して供養や参詣の証としていた あの膨大な山櫻はそうして出来上がったものである

 

去年1月29日の亡き主人の記事『節分と星祭りと追儺式と立春大吉』と題する記事に詳細に出ているから ここでは割愛させて戴くが

本来大晦日の日にやられていたのが 鬼やらいとか 鬼追いとか 追儺式と言われる節分の豆撒きであったのが 2月2日が大晦日にあたり

2月3日は節分(=正月か)であって この日をもって新しい暦に替わって行くのである 4日は立春大吉で この一日だけはどの方角も吉とされている

吉野で行われる節分会は 古い伝承の追儺式(ついなだしき)の形式を取っており 2日に鬼(役行者の従者でもあった前鬼と後鬼の夫婦の鬼)は

下千本からと上千本からそれぞれスタートし 吉野山中腹の水分(みくまり)神社に集結し それから中千本の蔵王堂にやって来る

2日夜半20時から『日数供養』から始まって 23時より『星供秘法』が執り行われる 星とは生まれた日と書いて星と言う事であろう

更に鬼の『調伏(ちょうぶく=改心させること)があって 『採灯大護摩供厳修』が行われ 明けて午前1時から『福豆蒔き』が行われる

その際「福は内 鬼も内」と叫び 鬼は調伏させ 善なる神にすると言う珍しい形式をとっている 全国の寺社をよく見ると類例もあり

密教系の寺院や修験者の多い地区ではこの方式が取られていて 東北各県の神社や代表的な寺院では成田山新勝寺などがそうであろう

 

修験者にとって『護摩修行』が最重要な行事の一つであるが 

このような修行を 空海の密教と合致して 早くから真言宗が取り入れたものであっただろう 山岳信仰と密教は不可分であるようだ

尚明治のご維新の際 廃仏棄却にあって 一旦は閉じられたが 天台密教がその危機を救い 国宝蔵王堂が復活したのである

 

ここで一つご紹介しておきたいことがある 採灯式に見合った新進気鋭の陶芸家の出現である 奈良・赤膚焼きの窯元で修行し独立

今やすっかりお馴染みになった若手陶芸家・武田高明氏の作品が この採灯式に参画していること言うことである 護摩=火=灯であろうか

巻頭の写真は前回出品されたものであるが 灯りが点いている時は凡そ赤膚焼きにまったく見えないが 灯りを消して見ると紛れもなく

奈良伝統の赤膚焼きで 市内に工房兼ギャラリーも構えていて 櫻の花びらの透かし彫りは見事な細工で 

一昨年 東京国立博物館法隆寺宝物館でも展示され 大好評を博しました

吉野の名旅館『竹林院群芳園』でも個展を開いたり 今最も精力的に創作活動とイベント参加をしている陶芸家の一人であろう

                             吉野・蔵王堂への道を照らす採灯の数々

 

作家自身も このような祭典に参加出来て さぞや意義深いと考えていらっしゃるであろう

節分のお話から少々横道に逸れて悪いが 武田高明氏の作品をここでご紹介しておきたい

                     平成17年12月7日 東京国立博物館 法隆寺宝物館で展示された武田高明の作品

 

上記2点の作品は今年正月に 吉野の名旅館『竹林院群芳園』で開かれた武田高明の作品展 『流水紋櫻透火器』

光る部分より 影の部分に興味があると言って制作されたものであり 繊細な櫻の透かし彫りが眞に見事である

 

                  奈良市芝新屋町にある武田高明の工房兼ギャラリー『寧屋工房』

 

 

 http://www.kinpusen.or.jp/index.htm 金峯山蔵王堂公式ホームページ

http://www.sekaiisan-yoshino.jp/index.html 世界遺産登録記念イベント 日本の心・吉野祭り

http://www.neiya.com/ 陶芸家・武田高明氏『寧屋工房』公式ホームページ

http://www.kcn.ne.jp/netpress/mono/025/tokusyu2_25.html 武田高明氏の紹介記事

 

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