冬の星座

                                          1月中旬のオリオン座

 

 

 

冬の星座

 

 

真冬に 美しいものと言ったら そんなにないだろうと言われる方々 嫌々そんなことはまったくないのです

樹氷から始まって 真冬の夜空に咲く大輪の花火には本当に感嘆致しますし 冬の星座もなかなかどうして一番美しいと思っています

 

「冬の星らんらんたるを怖(おそ)れけり」は富安風生の句で有名です

冬の星座の中で最も目立ち 冬の星座の主役になっているのがオリオン座で オリオン座なくして冬の星座は語れません

南の方角に リゲルとペテルギウスの輝く一等星の間のちょうど真ん中に 二等星ながら三連星があるから直ぐ分かります

 

スバルの六連星 オリオンの三つ星 天の狼(おおかみ)シリウスなど大昔から各地の人々の心をとらえてきた星の中の星

文字通り“スーパースター”とでもいうべき星の数々が 天空を次々に横切る冬の夜空を乱舞し光り輝くさまは迫力満点です

そしてそれらは 「寒星(かんぼし)」「荒星(あらぼし)」「凍星(いてぼし)」などと呼び名もさまざまにあって さえ渡る夜気を通して

  時に恐ろしいまでの輝きを見せる冬の星です それを厳しく地上を見つめる目の光と感じるのは 亡くなった先祖たちが天上に

いると信じた大昔の人ばかりではないようです 現在我々でも真正面から そんな深い思いを抱かせてくれます

 

又ふたごの兄弟が手をつないでいるような双子座の二つの輝星カストルとポルックスは 英国では「巨人の目」にたとえられ

日本でも「にらみ星」「めがね星」といわれ とくに西美濃地方では光の色から「金目・銀目」などと呼ばれています

 

そのふたご座の「銀目」の方 白っぽいカストルの付近を中心にした形で放射状に現れるのが「ふたご座流星群」で

12月13、14日ごろには毎年現れる流星群ですが 年によっては 月の出が夜半になるため夜遅くまで

月明かりに邪魔されないで観測できる絶好の条件になるのでしょう

国立天文台によると 条件が良ければ1時間に30個を超える流星が見られるそうです

ピークは殆ど14日ですが 当夜が悪天候で見えなくても流星群の活動は前後数日間続いてくれます

13、14日は全国から携帯電話などで観測数を報告する企画もあって 是非同天文台のホームページを見て戴ければと

流星 つまり流れ星は一瞬のときめきで 人の一生のようでもあり 美しく儚いものですね

 

ゼウスの化身である雄牛座は オリオン座の西側にある小さな六つ星が集まったプレアデス星団やV字のヒアデス星団などで構成されています

牛の目にあたるところに 赤い一等星アルデバランが輝いています 浮気な大神ゼウスが牛に化けて アルゴスの王女エゥローバを誘惑した姿です

 

オリオン座の三つ星とともに親しまれているのが 雄牛座のプレアデス星団で スバルボシの名でよく知られています

清少納言は『枕草子』で「ほしはすばる ひこぼし ゆふづつ・・・」と表現し イギリスの詩人テニスンは この星団を

「しろがねの網にもつれる蛍のひとむれ」と美しく表現しています 日本ではスバル(昴)の他に 東北地方では ムッラ(六連ら)ボシと表現し

この他には イッショウボシ ハゴイタボシ ゴチャゴチャボシ クサボシなどと呼ばれています 又プレデアス星団のⅤ字を逆さにし

ツリガネボシとも呼び 星空が美しい佐渡では 半鐘がいつも横倒しになっているので ハンショノツッカラガシと呼んでいるようです

 

冬の星座のハイライトはもう一つあります オリオン座の三つ星から斜め左下へ目を転じると 非常に明るく輝いている星があります

これがオオイヌ座のシリウスと言う星で 光度は-1,5度で 普通の一等星の20倍も明るい星です 地球から7,8光年の彼方にあります

オオイヌ座はシリウスを犬の鼻に喩え 一匹の犬がちんちんをしている姿が描かれています ギリシャ神話では特に命名はありませんが

オリオンが一匹の猟犬を従えている「ドッグスター」と言われております 中国でも「天狼星」と呼び 日本では

単純にオオボシとかアカボシと呼ばれて 東北ではこの星が見えると 烏賊釣りの合図の星だとなっているようです

 

犬の星座ではもう一つ オオイヌ座の直ぐ上にあるのが 子犬座です でもプロキオンと言う一等星があるだけで他はありません

ただプロキオンにも シリウスにも 白色矮星と言う直径が地球と同じぐらいの大きさでも 太陽並みに重い重量の星がこの地球を廻っています

自ら光っていた恒星が進化し そうしてご臨終の時を迎えた一歩手前の星だと言われています

 

天の川もあります 真夏の天の川と違って それほどはっきりとしていませんが オリオン座の近くから頭上を通り 北西に伸びています

 

天の川に沿ってあるのが ギョシャ座と双子座です  ギョシャ座は五つ星で五角形になっていますが その中の一つは雄牛座の星です

五角形の一隅に黄色い一等星が光って見えていますが これをカペラと呼び 太陽とよく似た星です 興味深いのがこのカペラの直ぐ傍らに

三つの星で細長い三角形が出来ていますが そのうちの一つで エプシロンと呼ばれている星があります 更にその近くに

直径が太陽の2000倍もある暗黒の星が存在しているので有名です ブラック・ホールと言われ 謎に満ちた暗黒天体なのです

双子座は前述した通り カストルとボルックスの明るい星が並んでいて 直ぐ分かります 彼らは英雄同士の兄弟で仲良く光っています

日本ではカニノメとかモンボシとかキョウダイボシと呼ばれて親しまれています

 

冬の星座で もう一つ忘れてならない星があります カノーブスと言う星です シリウスの次に明るい星で 竜骨座と言う星の中にありますが

オオイヌ座の南西で 地平線上すれすれにあります とも・帆・羅針盤・竜骨とそれぞれ船の一部を模った星座だったのですが それでは

余りにも大き過ぎるひと括りだとされ 1752年に四つに分解されてしまって それぞれが妙な名前に変化してしまいました 

このカノーブスは 東京辺りの緯度では地平線上から 南に2度しか上りませんから よほど空気のいいところでないと見つけることが出来ません

そこでカノーブスは 南への憧れを誘う星とされ 緯度の低い南へ行けば 容易に見つけることが出来ます

中国ではこの星が見えて来ると お目出度い長寿の兆しと言われ 「老人星」と呼ばれています

日本では 房総半島最南端でメラボシ(布良=メラと言う地名)と呼ばれ 海で遭難した漁夫魂が この星が現れると時化るとされて来ました

 

ずっと南のお話ばかりでしたが 北の星も振り返って見て下さい 北極星を中心に 殆ど一年中同じ星座が見えています

北極星を中心にして 北斗七星とカシオペア座の関係に注意して下さい 北斗の大びしゃくは 冬の頃は北極星の右(東南)にあり

ひしゃくの口の方を上に昇りつつありますが 反対側のカシオペア座のWの字は 左側(北西)にあって 日が経つにつれ次第に落ちて来ます

その近くにアンドロメダ星雲があり ベルセウス座から ペガサス座まで豪快の伸びています

 

以上冬の星のお話ですが 調べれば調べるほど興味津々となり 話題が尽きません 

恋する人と ホットワインを飲み 冬の夜空を見ながら 手をしっかり握ってずっと話していたいのが本音です

 

そして色々な雑多な雑事から目をそむけられず いつしか流れ星に託す願いも忘れてしまう今日この頃の暮らしぶりになっておりますが

晴れた冬の夜空に思い切って顔を上に向けてはどうでしょうか スモッグで一等星くらいしか見えない都内では難しいと言う方はちょっとドライブ

真夜中のデートで 日頃慣れ親しんだ日光までひとっ走り 中禅寺湖畔や戦場ヶ原辺りで観測すると 目の先には限りなく広がる星空があるのです

偶には遠く それもできるだけ遠くを見ながら 人生を考え 愛を語り 人の儚さに思いを致すのもいいものです 

但し冬の夜道のスリップ事故には要注意!

 

                                                冬の星座

 

                                                                                                          (2005/1/16)

 

http://www.maps.or.jp/comcen/cosmo/04_index.htm  松山市のコスモシアターで 素敵な星空の話が出ています


 

広告
カテゴリー: 歳時記 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中