柿のあとさき

 
 
 
 
 
 
 
柿のあとさき
 
 
 
 
柿は ほとんど日本特産の果実と言っていい フランス語でも「ル・カキ」と言うぐらいである
 
古くから自生して来た柿は それぞれの土地で品種改良が進み 様々な形や味わいの柿が生まれた
 
 
 
最初に市場に出回るのは「次郎柿」 この柿の主産地は静岡である
 
その次に出て来るのは 柿の王様「富有柿」 
 
偏円で腰が高く 果皮は滑らかで 色合いは赫々として見事な光沢があり 種はあっても一つか二つである
 
「富有柿」の名前が有名になったのは 明治の末頃であるが 岐阜県が本場だとされていた
 
ところが今では愛知県 和歌山県 岡山県 更には四国などでも栽培されていると言う
 
 
 
柿には甘柿の他に 平べったい平種などの渋柿も多くあり そのままでは食用にはならないが 人間の知恵で甘くする
 
その方法は二つあり 一つは温湯を入れた樽に漬けて密閉し一昼夜置く方法である
 
もう一つの方法は 樽に渋柿を積み重ね 酒か焼酎を吹き掛けて密閉し きりっと目貼りをして 乾燥した場所に十日ほど置く
 
誰が考案したものか知らないが 渋くて食べられない柿が 何とも甘い「さわし柿」になるのである 寧ろ渋柿を好む人がいるくらいだ
 
 
 
酒好きは概して柿好きである 小生はその典型か
 
それは理にかなったことで 柿の成分である渋さの原因になっているタンニン質が多く含まれ 酔い醒ましには 持って来いである
 
「柿なます」と言う正月の食べ物があるが 酒を飲む機会が多くなる正月には 柿なますを膳の定番にしたのは 古人の知恵と言うべきだろう
 
 
 
江戸時代には 柿を材料にした手のこんだ料理が色々とあった
 
柿けんちん 柿寄せ 柿の白和え 黒和え 柿しんじょ等々である
 
この中でも 直ぐ出来る料理は 柿の海苔たたきであろうか
 
少々固めの柿を包丁の背でよく叩いておく そこへ浅草海苔を火取って揉みほぐしたものを加え
 
生酢で少しゆるめてから 小鉢に入れて出せばいいだけのことで お酒のアテにはなかなかだ
 
それだけのことだが 飲兵衛には 手間を掛けずとも 酒飯後 丸々一個剥いた柿一個出せば コトは足りるのである
 
 
 
更に B級果物屋には 店舗の隅っこに 必ず熟し柿が置いてある 偶々売れ残りそうなったのかも知れない
 
この熟し柿も ざぶっと食べると美味しいのであるが 何と当家のお婆ちゃん達は 熟し柿で白菜を漬けるのが得意だ
 
無論刻み昆布やスルメも入っているが 塩加減が丁度よくなり 
 
その上 白菜の甘さが引き出され それはそれは美味なのである 是非お試しを
 
 
 
 
 
                                                                                                                                                  (2003/10/30)
 
 
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