奥三河の花祭りなど

                                          スーパーマンである善なる神 『榊の鬼』の舞

 

 

奥三河の花祭り

 

JR豊橋から 飯田線に乗り換えて行く奥三河地方に 風変わりな古くから伝わるお祭りがある

竃(かまど)を 祭りの場の中央に据え 湯を沸かす釜を中心に 数々のご神事が行われるのである

時期は 従来は霜月に多かったが 人手の都合等で正月にやられたり 11月末から1月に掛けてが多くなった

愛知県北設楽郡一帯の各部落で行われ 元来新年を直前にした冬祭りのことで

この周辺一帯に数多く観られる湯立ての神事であり 霜月神楽(しもつきかぐら)の分野に入る

花祭りと言うのは 稲の花のことでその成熟を祈るとも 神仏供花の意とも 

又 この地方に最初に穀物を持ち込んだ修験者が祀った花山法皇の名に由来するとも

竃の釜から 鬼などの素手で パパッとはらわれ 湯気になった神の水蒸気が湯花とも言われていて

『花』と言う意味は 諸説あり なかなか断定し辛いところでもある

 

花宿(祭りの場)中央にある竃を中心に 神降ろし 湯立てなどの神事の後に

湯潔などの儀式舞 青少年による花の舞 三つ舞 四つ舞と

役舞と言う鬼 翁 嫗(おうな)などの面形の舞などが 夜を徹して続き

朝方神送りのご神事があり 鎮花祭で終わる

 

青少年の舞は 始まると一時間休みなく続き その間見物人達は 「テーホヘ テーホヘ」と掛け声を掛けたり 延々と続く

悪態をついたり 散々囃したてる 湯花を掛ける 更に翁と禰宜の問答や へんべ(反閇)と言う鬼の足踏みの所作などに

悪魔退散や人々の疲弊を駆逐する呪術的効果があるとされ 民俗学的にも 非常に注目されるものである

近くを流れる大入川と振草川との二大系統と もう一つの大川内系統の三大に分かれていて 

一方は神事系で 祭り全体が白く 又一方は仏花系統と言われ 五色の色彩に彩られていて 若干それぞれが違っている

いずれにせよ これらは官製祭事ではなく 修験者や民間の人達が始めたもので 

そこが計り知れない魅力に満ちているのである

 

又 ここからそう遠く離れていないところで 『霜月神楽』が行われている遠山郷などの集落があったり

『新野の雪祭り』とか 『坂部の冬祭り』と称している湯立てのご神事の祭りも神楽であり この辺は特に神楽の宝庫であろう

湯立ての神事系統のお神楽は 悪魔退散 五穀豊穣 家内安全などを願う素朴な民間のお祭りだが なかなか言葉だけでは 

これら湯立て神事神楽の魅力を 充分に伝えることが出来ないもどかしさを強く感じる 直接観るしかないのである

幾つかの村々では 休憩所なるものが出来 毛布の配布や簡単な食事が出され 一般の我々には 限りなく有り難い

 

早川孝太郎と言う 画家であり 柳田民俗学者である方の大著『花祭り』と

近年文化功労賞にも輝き 膨大な著作のある本田安次には 名著『霜月神楽の研究』があり

それぞれこのエリアの祭りの魅力を存分に伝えて余りある

                               花宿における神降ろしのご神事 (天井から下がっているのは五色の奉幣)

 

                                                                                      (2004/12/10)

 

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