秋深くして 和菓子恋し

 

 

秋深くして 和菓子恋し

 

秋の収穫には様々なものが出て来て 目にも嬉しい 特に和菓子に目が行く

当家の直ぐ傍には 京都の老舗の虎屋さんの支店があるが

室町時代創業の虎屋さんと言えば羊羹であろうか

中世禅坊主が羊のあつものを大陸から仕入れたが さすがに肉食がタブーの佛教である

羊の代わりに 大豆や山芋・小麦粉・葛などを捏ね合わせて 羊肉に見立てて食したようである

それを蒸した蒸し羊羹は やがて菓子の仲間入りし そのうち甘く煮た大豆も入り 寒天で固めた練り羊羹が 江戸時代に誕生したと言う

そんな長い歴史のある羊羹に 長野・小布施特産の栗が入った栗羊羹栗かのこ 秋には秋の美味しい和菓子が出回って嬉しい

羊羹(ひつじのあつもの)と書いた字は可笑しな字で でもこれで何故だったか お分かりになられましたでしょうか

 

鹿児島名産のかるかんも秋特産の和菓子であろう かるかんの主役である鹿児島特産の山芋で 寒くなって最盛期を迎える

伊勢の剣先形の生姜糖は有名であるが 島根の文左衛門の生姜糖 は長方形で 土佐産の三国一砂糖を使用してあり なかなかなものだ

芋羊羹と言えば 東京・浅草の舟和の芋羊羹は 素材そのものの味がして 秋には益々美味しくなる

柚餅のことを京都では「ゆうもち」と言うが 柚子の果肉に米粉・砂糖・味噌を練り蒸し固めたものだ 淡い緑色で仄かに柚子の香りがして美味しい

月餅とは中国のお月見団子のことでユエピンと言い 小麦粉で作った皮に餡を包んで焼く 餡はナツメを皮つきのまま入れ 上下を焼いたようだ

但し今では小麦粉・砂糖・ラードで捏ねた皮に 干し柿・干しナツメ・松の実・干し竜眼肉・白小豆の蜜漬け 

クルミ・蓮の実・カボチャの種・スイカの種 白胡麻など 多彩な材料も餡の中に使って入れている 凄い贅沢なものになっているが

単純な製法の時は 京都で 中秋の名月にお供えする名物菓子つきもちのヒントになったものであろう

柿羊羹は 柿の味をそのまま生かしたもので 柿の生干しをすりつぶし 砂糖・水飴・寒天でゼリー状に煮詰め 竹筒に流し込んであって嬉しい

切り山椒は江戸・日本橋であるべったら市の時に出て来る 紅白のしん粉菓子で 1センチほどの拍子木に切った菓子で 江戸っ子には懐かしい

猪の子餅とは 初冬の猪の日 猪の刻に食し 無病息災を祈るもので 普通丸餅だが 関東では四角いのし餅になる 

猪とは12匹の子供を産むと言うから 多産安産を願う伝説もあろう 

宮中では 猪の子形にしあげて 大豆・小豆・ササゲ・栗・柿・胡麻・糖の七種を粉に混ぜて 七種七色に作る

他に千本搗き・千歳飴・織部まんじゅう・栗まんじゅうなどを

季節を戴きながら 秋の長夜における読書の友にしたいものである

 

そうそう そう言えば 京都の名菓子匠の和菓子のデザインや色彩や香りや材料などは 

すべて『小倉山百人一首』の それぞれの季節の和歌を目標にして創っていると聞いたことがある

                                                                                                        2004/10/19

 

 

http://www.toraya-group.co.jp/ (京都・虎屋さんのホームページ)

 

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