櫻桃(サクランボ)

 

 

 

 

櫻桃(サクランボ) 

 

 

 

丁度いい時期に 太宰の『櫻桃忌』があるものだ

6月13日 玉川上水に 愛人・山崎富栄から

引きずられるようにして 投身自殺を図った

死体があがったのは19日 奇しくも太宰治 39歳の誕生日の日であった

森鴎外を慕っていた太宰の為に 美知子夫人は

鴎外(墓石には林太郎と表記)の傍にと 三鷹の禅林寺を墓所に選んだ

翌年から 亀井勝一郎を中心に この寺の庫裏に集まって 

19日を櫻桃忌とさだめ 今に伝えられている

 

現実に傷つき 尚且つ必死に生きようともがいた天才の死は

未だに 我々の胸を打ち この時期になると 必ず思い出す 

彼の死の最期に 世に遺した小説は『櫻桃』

 

 

 

弟夫妻が帰って来るのを待っている間に

 山形から 今が旬真っ盛りの櫻桃がうまい具合に届いた

 

「佐藤錦」15キロ 「南陽」5キロである

 

この時期のサクランボは 露地物で 

露地物と言っても ちゃんと真上に透明のビニールが 雨傘のようにさしてある

雨あがった直ぐ後に ちょっとでも直接陽射しがさすと 

すべてサクランボはひび割れし 商品価値を失う

従って温室ではなく 上にだけ傘のようにさして栽培している

まるで我が子であり 紅い宝石のように

 

中でも 「佐藤錦」より 「南陽」が遥かに美味い

ひと廻り大きく やや黄ばみがあり 酸味が抜群の程のよさで 

風味豊かで 絶品の味わいだが

何せ 樹が少ない 殆ど店舗に出回ることはない

 

サクランボの樹は 木肌が美しい 真っ直ぐに枝が伸び

林檎などの花が咲く頃に ほぼ同時期にびっちりと純白の花を咲かせてくれる

 

冷やして置いたサクランボを 弟の子供達にあげてみた

むずがっていた小さな子供の顔が 美味しいらしいのか

途端に 破顔一笑し パクパクと食べ出した 

 

私は どんなにほっとしたことだろう 

頼もしい弟と彼のパリっ子の奥さんと私とで 

目線を交差させ 互いに微笑み合った

 

これからは日本の子になるんだよ と!

 

 

                                   これも 上の写真も 「佐藤錦」である

 

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