鮎料理・平野屋

 

 

 

 

 

鮎料理・平野屋

 

 

    <鮎 あゆとは>

 

  この時季に 美味しいものの一つに鮎料理がある 晩秋に孵化した稚鮎は 櫻の時季に 川を遡上し 六月になると若鮎として川藻を食べながら 更に上流を目指し 九月産卵の為に川を下り始め 十月産卵を終えると 鮎は僅か一年と言う短い生涯を終えてしまう 従って『年魚』とも呼び 何とも言えない清らかな香気ゆえに 『香魚』とも呼ばれている

 面白いことに 川の場所によって 微妙に鮎の味が異なる 川藻や川そのものが持つ香りによって違うのだろう そして漸く解禁になるこの時期を 釣り弘法達は 解禁の日を待ちかねて 歓びの瞬間になっていよう 日本国中この時期には 鮎自慢の方々が肩で風を切って歩くのであろう 岩国の錦川の鮎 越後の魚野川の鮎 郡上八幡辺りの長良川上流の鮎 京都は保津峡の鮎 北大路魯山人が絶品と誉めた小田原の酒匂川の鮎もあろう それぞれの鮎の味が この六月に 土地の人々の記憶に鮮やかに蘇って来るのであろう

 鮎は塩焼きに決まっている 蓼酢(たでず)に浸して食べる 苦くても 香気のいい素晴らしい川魚である 蓼は 葉っぱを直接食べて見ると 不味くて食べられたものではないが あるのとないのでは大違いで 私は蓼酢派である

 

 

     <鮎料理の名店・平野屋>

 

 京都・嵯峨野の一番奥に鮎料理の名店がある 化野念仏寺(あだしのねんぶつでら)より 更に上に行くと 二軒の藁葺き屋根の料理屋がある 二軒とも鮎料理のお店だが 愛宕神社鳥居本にある平野屋を ここでは御紹介しておきたい そもそも嵯峨野は愛宕神社の参道であった そこに古い時代から文化人達が別宅を建てたり 隠棲するような場所になったのであって 愛宕神社に詣でる人々へ出す食事処が 古くからあっても 何も不思議はないのである

 すべて保津峡で獲られた天然の鮎が使われ 鮎の塩焼きは絶品の極みである メニューで見てもお分かりの通り 鮎料理がメーンだが コースで取ると 非常に量が多いので 夜の懐石料理などを控えて 単品とか湯豆腐とかで 軽く済ませたいものだが 鮎の魅力には どうしても勝てない御仁が多かろう 鰭(ひれ)につける化粧塩も さほどきつくはなく 塩味加減が又何とも言えない

 ただお抹茶だけとか そう言う方々も歓迎してくれるが 夏場には湯豆腐は出ない 夏場の豆腐はまん丸の豆腐で 真ん中に辛子が入っている グジャグジャに崩して食べるのだ ここでは 清涼寺さんの近くの『森嘉(もりか)』のお豆腐が使用されているが このお店は京都市内でも 指折りの隠れた名店に違いない 食前しんこ餅が出て来るのが とっても嬉しい限りである

   

 

 素朴な味のしんこ餅 黄な粉と黒砂糖が乗る

 

 

鮎の塩焼き 頭から がぶりと行きたい

 

 

 

 

 

       <鮎飯(あゆめし)の名店>

 

 処で鮎料理は 塩焼きだけではない 東京から関越自動車道路で一時間余 寄居(よりい)と言う鄙びた町に着く 奥秩父から発した荒川は 寄居まで来ると 川幅を広げ 大きく迂回して 玉淀(たまよど)と呼ばれる景勝地を生む 両岸は目も眩むような断崖で 南の断崖には嘗て武州鉢形城があった 荒川越しに 鉢形城址をほぼ真正面から見る絶好の位置に『京亭』と言う料理旅館がある ここは『祇園小唄』の作曲者で 不朽の名を残す佐々紅華(さっさこうか)が 終の棲家として移り住み 思うがままの趣味を生かし 財を惜しまず建てた隠れ家であった 今では紅華の養女が 弟と板場に立ち 商売っ気がない鮎飯の宿を営んでいるのである

 鮎飯とは 江戸時代からあったもので 往時は多摩川べりに 何軒も軒を連ね 食べさせていた 醤油の淡味をつけて仕込んだ飯がふきあがる頃 内臓(わた)だけ取った姿のままの鮎を 飯の中に突き込んで蒸らす 食べる寸前に 頭や中骨を抜き取り 飯の中に残った魚肉を細かく突き崩し 刻み葱や青紫蘇などの薬味をたっぷりと混ぜ込んで 熱々のうちに食べる さすがに香魚と言うだけあって 生臭味が全くなく この美味しさと言ったら どう表現したらいいのだろう 又この鮎飯は 翌日冷たくなっても 大変美味しく頂ける 他にも鮎雑炊も風流なものであろう

 

 これも梅雨の時期の楽しみの一つだろう ハイウェイのパーキングエリアでやっている鮎の塩焼きも馬鹿にはならない 食餌療法をしている入院患者が こんな食べ物のお話をするとは 幾らかでも体調がよくなっている証拠だろうと どうかお許し願いたい さぁこれからリハビリである 昨日のように 足がつらないといいのだが 頑張ろう!

 

 

http://www13.ocn.ne.jp/~a0359/index.html  (平野屋ホームページ)

http://gourmet.yahoo.co.jp/0000553063/M0011000879/ (京亭ご案内URL)

 

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