心の遠きところ 花静かなる田園あり

 

 

                                          長野県阿智郡の駒繋ぎ櫻

 

 

   心の遠きところ 花静かなる田園あり

 

 

   明日ジャストの誕生日である

    人生の半分になるだろうか

    毎年誕生日には ささやかな法要をする

    幼児の時分から 特段のプレゼントなど 一切なかった

    だが 自宅でもする潅仏会が 私らしい祝い方だと思い

    例年一日中 静かに過ごすことにしている

 

    折りしも 櫻花の満開が終わり 葉櫻に一直線

    各地の農家では 開花してから 種籾を水につけ

    苗床に それを蒔く準備でおおわらわだろう

    関東より 以北の地方では まだまだこれからだ

    周辺では 新規採用の社員が挨拶に来て 何かと騒がしいけれど 

    希望に満ちた春の風情だ

 

    花冷え 花曇り 寒の戻り その先に 陽炎が立つ

    15日に雨が降れば 『梅若の涙雨』と言って 墨田の木母寺では法要がある

    京都の貴族の子が 人さらいにあって東国に下る途中 病になり 隅田川のほとりに

    捨てられて死亡してしまう 哀しい話であるが その日は優しい雨が降ろう

    能『隅田川』の母親とともに 雨になったら 深く祈ろう

    南より来る穏やかな風の油風(あぶらまじ)が そよそよと吹くであろうか

 

    どんな子供達にも無論そうであるが 人それぞれには それぞれの花がある

    偶々不規則に 大きくなった大人達にだって どこか 心の遠きところに

    本人にとって 麗しい花が必ずある そうしてそこは 霞たなびく 静かな田園が広がる

    その花を見つけに 人は それぞれが夢中になる

    見つからなかった人だって 気がつけば 花の前

    どんな人にだって 御仏さまの慈悲があるのだから

 

    私の誕生日こそ 私の生涯 祈りの日であって欲しいと願っている

 

  

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