京都の櫻,櫻,櫻、

 

 

 

 

 

         京都の櫻、櫻、櫻、

 

 京都は 櫻の似合う町である どこへ行っても 櫻の時期は櫻 櫻 櫻で 町中どこにでも彷徨し 櫻の美に 無条件にただ酔い痴れる我が身の恥じを曝すように ただ茫然として 櫻の前に立ち尽くす 櫻は個人的な美なのであろうか 個々の奥深い処 それぞれの琴線に触れて止まない 孤独なこころを癒してくれるのである ただ全部を紹介するのはとても困難であろう 我が私見として選択し そして皆さまの櫻見物のよすがになればいいことである

 

 

 <円山公園近辺>

  円山公園の枝垂れ櫻は二代目である 見事な櫻で 今シーズンテレビのコマーシャルに出ているから 大方の人はご存知であろう 樹勢は青年期の櫻に当たる それでも何か天災などあって枯れたりした時 直ぐに次代の枝垂れ櫻になるべく 嵯峨野の佐野籐右衛門宅門前に 三代目が既に大きく成長をしている この枝垂れは江戸彼岸で 花は小振りだが 派手に咲くことで知られている 夜櫻も鮮やかである 明治のご維新後出来たこの公園は 京都随一の櫻の名所で 辺りには染井吉野が花いっぱいつけて来訪者を歓迎している だが何せマナーが悪い為に 満開の頃は逆に憐れを催して来そうである 枝垂れ櫻を見に行く為には 真夜中か朝早いうちがよかろうと思う

 秀吉の正室ねねの寺として有名な高台寺の中庭には 素晴らしい枝垂れ櫻がある 横に広く 実に美しい 是非この枝垂れ櫻も必見であろう 清水寺はほとんどが染井吉野であるが やはりここも名所の一つになろうか 本堂直ぐ脇にある地主神社(縁結びの神として女性に人気)には 珍しい櫻があって これも見物かも知れない 四条河原町通りと鴨川の間に流れる高瀬川の櫻も 情緒があって 好きなポイントである 白川南通りの花街に沿ってある枝垂れ櫻など 本数は少ないものの 風情があって 当ブログ2/23号『紅八重枝垂れ櫻と「祇園冊子」』で 既に紹介をしておいた 夜など 祇園新橋界隈から 三味の音が聞えて来る 本物の祇園情緒たっぷりのスポットであろう 京町屋の風情も美しい

 

 <平野神社境内>

  京都の方々が 最も宴会をしたい場所の一つで 狭いところだが 枝垂れ櫻や八重櫻など珍しい品種の櫻が多く まるで品評会とも言えるような様相を呈して咲き誇っている 特に拝殿前の空間に 珍しい櫻が多く うっとりとして見入って来る

 

<竜安寺石庭>

 竜安寺石庭は 大好きな庭である 広縁にゆったり座っていると 手前側は現在の世界 石庭は 既に彼岸であって 大宇宙である その宇宙の中で ちっぽけな自我のまま 否応なく生かされているのだとつくづく気付かせてくれる その緊迫感のある中で 石庭を覗いている2本の枝垂れ櫻があり ほっとする瞬間である 現世と彼岸を繋いで下さっているのだろうかと 不図思うことがある

 

<仁和寺・御室櫻>

 染井吉野の開花より 約10日間くらい遅い開花である ここは当家には特別な御寺であり 私の先祖代々が ここに眠っている さてこの御寺の櫻だが 幹がなく 地上へ直ぐ枝が伸びているような低木の櫻で 別名おたふく櫻と言われるように 大型の花である 10年前だったろうか 満開の御室櫻を 低気圧の真っ只中に観に行った 辺りには人っ子独りいない 雨も風も凄く 普段この櫻の苑に入る時期 入場料が必要なのだが あいにくの天候の為 それも要らなかった するとどうだろう 息がつまるような花嵐 地吹雪のような花の乱であった 雨に濡れ 風に叩かれながら じっと耐えて立っていた 私はこのような感動を味わって 生涯決して忘れないだろうと思えた 感動の余り私は 思わずわっと泣き出して 花びらの舞い上がる暗い天空を見詰めた ご先祖は この花を愛でていたのであろうか 

 

<哲学の道>

 哲学者西田幾多郎(『善の研究』)が思索の為に歩いたとされる銀閣寺門前から 若王神社までの約2キロの散歩道である 染井吉野がびっちりと続いている 琵琶湖疎水の脇道にあたる道だが 反対側に 美しく山吹や花大根の花々が咲き誇り 静かに歩くには 最高の散歩道であろう 愛する人と手を繋いで歩いていたいものである

 

<嵐山中之島公園>

 嵐山から渡月橋を渡った川べりにある公園で 見事な枝垂れ櫻が多く そこから見える嵐山の緑色の山中に 山櫻が点在し 得もいわれぬ美しさである 尚嵯峨野から トロッコ列車に乗って 亀山の方に向かう途中も山櫻の美しさに遭遇する 沿線途中には トコッロ列車の職員が植えた櫻が楽しませてくれる やはり新緑と淡いピンクの美しさは格別であろう

 

<上賀茂神社境内>

 本数は少ないけれど 上賀茂神社の清浄な美しさに 更なる美のポイントをつけてくれるのが 広場の枝垂れ櫻であろうか しかも姿形がいいのである 櫻の辺り一帯は天然の芝生で 大の字になって寝転んで花見が出来る 美しい 嬉しい限りである

 

<嵯峨野・佐野造園>

 櫻守・佐野籐右衛門さんのご自宅である 前後の植木畑には たくさんの櫻や苗木があるが 一般客は 藁屋根母屋の辺りまでである よく観ると 未だ名前がついていないと言われる半開きで満開の枝垂れ櫻もある まるで櫻の侘助である 奥の方に 黄櫻や兼六園から戴いたと言われる兼六園菊櫻(一輪の花に花びらが350枚~400枚) 三代目円山公園枝垂れ櫻など 目を奪う櫻が多い 中では籐右衛門さんの奥さんが 櫻の塩漬けや梅干など直売で大忙しだ ここに来ると いつもほっとして 緩やかな気分になれる

 

<嵯峨野・天竜寺他>

 嵯峨野の入り口 天竜寺の裏門近くに 枝垂れ櫻の名木がある 手入れが行き届いていて 何か悲劇的なことでもあろうかと 考えながら観てしまう無類の名木であろう 大覚寺や二尊院とか化野念仏寺(あだしのねんぶつでら)にも 心憎いほどの櫻が配置されている

 

<京都御所>

 櫻の時期に 特別拝観がある 御所の中にも そこそこの櫻が美しく配置され 広い境内には山櫻が結構な本数があり 山櫻はやはり品格の違いがあると改めて思うことが多い さすがに御所である

 

<二条城>

 裏庭に 何と美しい櫻の木々があるのだろうか 坂本龍馬が 大政奉還させた場所に相応しい櫻のお城である やはりお城には 櫻がよく似合うのである

 

<平安神宮>

 言わずと知れた紅枝垂れ櫻のメッカである 谷崎潤一郎の『細雪(ささめゆき)』を持ち出すまでもなかろう 本殿左側から入場すると そこが紅枝垂れ櫻が こんもりと生い茂っている 艶やかな櫻で 如何にも京都の櫻と言うイメージだ 更に下りて行くと 大きな池があって その周りにも 様々な櫻や枝垂れ櫻が配置されている 女性の顔がより一層美しく映えるであろう

 

<半木の道>

 鴨川は 下鴨神社のところで 高野川と賀茂川が合流し 下流が鴨川となる その手前の高野川の土手沿いの道路には 染井吉野がびっちりと植えられ 植物園の裏辺りになると 土手の中に入った道で 半木の道(ながらきの道)と呼ばれる場所がある 染井吉野より 1週間くらい開花は遅いが 枝垂れ櫻のトンネルがずっと続く うららかな春の日 ゆらゆら揺れながら わき目で都鳥を見て この枝垂れ櫻の道を歩かれたらよかろうと思う よく手入れされていて 花見客のドンチャンもない 素敵なスポットである

 

<原谷苑>

 個人所有の小さな山であるが 金閣寺の奥手にあたる位置にある どのくらいの枝垂れ櫻であろうか 数えられないくらいに 多くの枝垂れ櫻が 美しく咲き誇っている まるで息が詰まりそうになり 息を飲む美しさに圧倒される 個人さんで よくここまでされたと感心すること頻りである

 

<南禅寺インクラインなど>

 琵琶湖疎水から 高さの違う川に船をあげるのに使ったインクラインと言う鉄道の線路に似た場所がある 南禅寺門前の古い水道局の直ぐ傍にある 見事に揃った染井吉野は 息を飲む美しさだ

 

<大原野・勝持寺及び善峰寺>

 西行が出家したところが この勝持寺で 花の寺と呼ばれて親しまれている 境内には 処狭しと櫻が植えられていて まるで花の海である その中に 何代目にあたるのであろうか 西行櫻と呼ばれる枝垂れ櫻があるが まぁ花の海に どっぷりと浸かるがよかろう 善峰寺も 花の寺と言えるのではないだろうか 大きな枝垂れ櫻など たっぷりと大原野特有の大らかさがある御寺である

 

<常照皇寺の九重櫻と御車返しの櫻>

 周山街道を行き 京北町に入る手前を右へ折れ 花背の方へ向かう 大分遠いが その間道から やや入ったところに 常照皇寺がある 昔はなかったが 山門手前には見事な枝垂れ櫻があり 出迎えてくれる この寺の九重櫻(ここのえざくら)は 私が 日本で五本の指に数えている名木中の名木である 花の色と言い樹の大きさと言い 実に申し分ないのである 樹齢600年の江戸彼岸系の枝垂れ櫻である その手前には 御所車をもう一度引き返し あれは八重か一重かと もう一度観たと言う御車返し(みくるまがえし)の古い樹もある おたふく櫻くらい大きく 一重の花である 人里離れた こんな場所に 日本でも一、二を争う名木があったとは さまに驚きであった

 

                                      

                                            パソ画 常照皇寺 九重櫻

 醍醐寺・三宝院>

 秀吉の花見で有名な御寺である 参道は染井吉野で埋め尽くされているが 門を入ると直ぐ大きな枝垂れ櫻が出迎えてくれる いつだったか切手にも取り上げられた枝垂れ櫻で ここの中にはにも 見事な枝垂れ櫻がある 水上勉の『醍醐の花見』と言う小説にも出て来た 更に奥の方へ行くと 木造の五重塔として日本最大の塔を ちょうど観れるいい位置に枝垂れ櫻がある 花の時期三宝院では 宝物展が開かれ 多くの人々を楽しませてくれる 如何に秀吉が花見に 莫大な費用を費やしていたか 本殿欄間などを見ると 余りにもよく見えて 往時のうたかたの繁栄を知ることが出来る

 

<修学院離宮・桂離宮>

 ここへ入場する為には 宮内庁宛てに 一ヶ月前までに予約しなければならない ちょっと煩雑であると思われる方は永遠に観られないのであるが 一旦予約を取り 中に少人数ながら 案内人がついて 非常に親切に説明して戴ける 北の修学院離宮と南の桂離宮では 規模も違えば 中身も大きく違うが どちらとも是非生涯に一度は訪れて戴きたいところである 日本の美を かくなるまでに追求されたところはそうないのである 櫻はほとんどが山櫻であるが 実に程いい程度に配置され 見応えが充分であろう ただ一日で両方と言うのは 多分無理である それだけ時間を掛けて拝観したいのである

 

 

  京都の櫻は 個人の情感に訴える櫻が多い 本来 櫻花と言うものはそんなものかも知れない だがこの町では 特別に櫻を愛する風土があるのであろう 紹介の仕方が悪いのかも知れない 個人のご自宅にも 名木があって それぞれに素晴らしい艶やかさを競っている ここでは ある程度の御紹介で お茶を濁したいのである

 

http://www.kyotocity-taxi.com/ (個人タクシーの堤さんのホームページ 櫻情報満載)

http://www.kyomeibutuhyakumikai.jp/hisiiwa.htm(懐石弁当の予約に応じてくれる 超美味)

広告
カテゴリー: パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中