春を呼ぶ火と水の祭典 修ニ会

 

 

 

  

春を呼ぶ火と水の祭典 修二会

 

~東大寺・二月堂のお水取り~

 

 

 東大寺・二月堂では 現在お水取り(正確には修二会‐しゅにえ)が行われている 

十四日が満行だから お近くの方々は これからも大勢行かれるのであろう 

古都奈良の春は お水取りが終ると直ぐ 本格的に風が温み ようやく春陽が到来するのである 

至極興味深く面白いのは このお祭りは単純な天下国家の安寧を願う行事であるが 

その内容ないささか単純ではない要素がたくさんあるお祭りだから 面白いのである 

古来神道があって そこに外来の信仰として佛教が入って来る 

そうして形成された非常に古い形式を残しているからである 

古来の山岳宗教の上に 佛教が乗ったお祭りであるのかも知れない 

驚くべきことは 天平勝宝四年(752年)からただ一度も絶えることがなく 催されて来たことだ 

今年で実に連続1255回を数えられる 東大寺開山の祖・良弁僧正(ろうべんそうじょう)の

高弟・実忠和上(じっちゅうかしょう)によって 始められた行事と言われている 

実はこの二人には 何故か山岳宗教の香がプンプンするのである 

言わば神仏混合的な発想の行事と言うことにもなろう

 http://www.eonet.ne.jp/~mansonge/mjf/mjf-33.html民俗学的考察が面白い)

 

 

     <神仏混合の美~水>

 

 行をする人々を錬行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれるが 

良弁僧正の命日の12月16日に 翌年の修二会に参加するお坊さんが11名選ばれ 発表される 

そして2月20日から2月25日まで それら錬行衆は 注連縄を張った場所で 

別火精進(べっかしょうじん=煮炊きを別にして 身を清める)して 様々な準備の前行を行う 

3月1日から3月14日までを本行とし その2週間を修二会(しゅにえ)と言うわけである 

修二会は正しくは十一面悔過(じゅういちめんけか)の法要と言い 

人々の成り代わって 十一面観世音菩薩さまに対し 懺悔の行を行い 

天下泰平(てんがたいへい)・五穀豊穣(ごこくほうじょう)・万民快楽(ばんみんけらく)を祈ると言う 

約3箇月に及ぶ大きな法要なのだ 

 http://www.todaiji.or.jp/ (東大寺公式ホームページ)

 お水取りの名の由来は こうである 

実忠和上が最初の修二会の時 神名帖を読上げ 全国におられる八百万の神々を招請した際

ただ一人だけ 今にも行が終ろうとする12日に 大遅刻をして現れた神がいた 

若狭の国の遠敷(おにゅう)明神だ 神はお詫びの印しにと 二月堂真下の大岩に向かって真剣に祈り始めると 

大岩がパクリと口を開け 滾々と水が溢れ出たと言うのであった 現在閼伽井(あかい)の井戸になっているが 

ここは若狭井(わかさい)とも呼ばれていて 十一面観音菩薩に供えるお水は ここから12日に取られている 

これをお水取り もしくはお香水(おこうずい)と 一般的に親しまれている由縁である 

但し東大寺のお水ではなく 若狭から届けるお水でなければならず 地下水脈をつたって 

10日で着くと信じられており 従って12日の若狭井のお水取りに間にあわせて 

例年3月2日に若狭・小浜で お水送りの神事が行われている

http://www.city.obama.fukui.jp/maturi/omizu.htm (若狭・神宮寺のお水送り神事)

 

 

      <韃靻 五体倒置 お松明>

 

 修二会は 決して静かなお行ではない 

悔過(けか)と言う懺悔をしたり 大地踏みをして 諸々の鬼を祓わなければならないのである 

特に12日13日14日の午後11時から 後夜の行として 韃靼(だったん)と呼ばれる火の行が行われる 

激しく鬼を追い祓う 乱声(らんじょう)と呼ばれる法螺貝や太鼓などとともに 

大声で怒鳴ったり 人々の煩悩を焼き突くさんばかりである 

反対役の水天役も出て 火天役が大松明を ドンと床に突いたり 

それを水天役が水を撒いたり 悪魔祓いの行法なのである 

走り回った錬行衆が 最後に五体倒置と言って どさりと倒れ込む 

食うや食わずの錬行衆の激しい祈りの中で 一般の人々にも差し上げられる香水授与(こうずいじゅよ)があったり 

激しい火祭りの様相を呈している 京田辺から運ばれた大松明は 

まるで邪気と勘気と寒さに さよならするかのようにドラマティックな激しい場面の連続である 

修二会をお水取りと言ったが 別名お松明とも呼ばれている由縁だ

http://www.urano.org/kankou/topics/shunie/index.html (お水取りが詳細に出ている)

 

 

      <良弁椿の造花>

 

 

 上記椿の写真は 二月堂下にある開山堂境内に咲く良弁椿(ろうべんつばき)である 

十一面観音菩薩さまに 手向けるのに 良弁僧正所縁の本物の椿は咲いていない 

真っ赤な椿に糊を零したような白い斑紋様がついている 

そこで京都の染師に頼み 紅を塗られた和紙で 

錬行衆は2月のお籠もりの時に 『糊こぼし椿』の造花を作るのである

 http://www.wanogakkou.com/life/00100/00100_006_02.html (和の学校公式サイト 紅染め)

 

 

 本物の椿の樹に この造花をつける そうして手向けるのである 

激しい火と水の祭典の中で 一服の清涼剤とでもいいましょうか

お松明はそもそもは錬行衆の足元を照らす為のものであるが 

毎度二月堂欄干で お松明の光が激しく動き その火の粉を被ると 一年の災厄は逃れられると言って 

みな怖々と 二月堂欄干の下にいて 火の粉の落火を待っているのである 

今まさに1255回目の修二会の最中である  歴史の目撃者として 

一度是非伺って欲しい行事の一つであろう

 http://www.todaiji.or.jp/index/hoyo/syunie/stop/stop02.htm (㊥フィナーレ12日お松明の日)

http://yamatoji.pref.nara.jp/topics/syunie/taimatu.htm (お松明の主な時間表)

  

        良弁椿の土鈴 (購入可)

 

広告
カテゴリー: まつり パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中