蒲公英(たんぽぽ)雑感

 
 
 
 
 
蒲公英
(たんぽぽ)
 
 
 
蒲公英と言う字は不思議な字である
 
柳田國男先生の説では 鼓の擬音 タン ポンポンから名付けられたとある
 
でもこの漢字は 如何にも何かのこじつけで書かれたような気がしてならない
 
一般に西洋蒲公英と日本蒲公英があり
 
西洋蒲公英は繁殖が強く あっと言う間に日本に席捲したかのようだ
 
それは顎の部分が反り返っているから 直ぐ分かる
 
 
 
日本蒲公英は関西以西では白い蒲公英が多く
 
白花を関西蒲公英と言い
 
関東では黄花で 関東蒲公英とも呼ぶらしい
 
 
 
 
私見であるが そんな蒲公英のイメージとそっくりな俳優がいる
 
寅次郎シリーズでは 二代目おいちゃんになった松村達雄である
 
 
 
去年初夏 確か6月の終り頃だったか亡くなってしまった
 
惜しい俳優さんで あのような俳優を
 
蒲公英の花のような楚々とした俳優さんだったと言いたい
 
 
 
松村達雄は 黒澤明監督の遺作となった映画『まぁだだよ』に主演した
 
モデルになった人物は 内田百閒と言う夏目漱石のお弟子さんで 
 
主に随筆を書いた素敵な作家の話である
 
誠実で 温かい内田百閒の人間像を
 
人間味豊かに 描き切っていた
 
この映画は当時散々酷評された映画であったが
 
何と何と私は 大好きな映画の一つになっている
 
 
 
人間が大好きな先生と
 
その先生が大好きな教え子との交流の物語である
 
松村達雄は黒澤の口五月蝿い演技指導を最後まで聞き
 
そうして モノにしたらしい 実に見事な演技であった
 
 
 
モデルになった内田百閒もそうだが 
 
松村達雄も又 蒲公英のような花があった
 
 
 
内田百閒に関して もう一つ書きたいことがある
 
現在早稲田大学教授で 浄瑠璃研究の第一人者である
 
内山美樹子先生は この内田百閒のお嬢様であるらしい
 
 
 
学問が大好きで 昔から化粧っ気は全くなく
 
ひたすら研究に没頭する彼女を
 
私は 至極高く崇敬している
 
出来れば 大好きな近松門左衛門を
 
いずれ彼女から習いたいと熱望している
 
父百閒と同じようなお人柄であろうし
 
彼女も 又蒲公英のような素敵な人に違いない
 
 
 
 『まぁだだよ』の映画で助監督であった小泉尭史
 
映画『雨あがる』を撮り 更に『阿弥陀堂だより』を撮り
 
今 封切されている『博士の愛した数式』を撮って 世に送り出した
 
永年黒澤に仕え 助監督として苦労して来た小泉らしい作品群だ
 
 
 
映画『まぁだだよ』そのものが 彼の映画の根幹で延長であるのだろう
 
小泉尭史も 又蒲公英のような 楚々とした美しさを持った名監督になろう
 
 
 
 
能に 蒲公英が出て来るのは 衣紋にである
 
素襖(すおう)や肩衣(かたぎぬ)と言う
 
男性用の能衣装に 家紋として出ている
 
家紋として図案化され出ているわけだが
 
一説には薺(なずな)との説もあるようだ
 
 
 
高貴な家紋が一切赦されない時代に
 
工夫して工夫して様々に考案され
 
 こうして蒲公英や薺の紋様になったのであろう
 
それくらい芸能者の身分は低かったのである
 
 
 
 
 
いずれにせよ 蒲公英は名もない美の中心的役割であり
 
もう直ぐ春になって 蒲公英を見ると ほっとしている自分がいる
 
 
 
桃畑やさくらんぼ畑や林檎畑の 主役が咲き誇る真下に
 
シロツメグサやナズナなどとともに びっしりと咲き誇る蒲公英は
 
脇役と言うより むしろ主役にしたいくらい
 
 いとおしい気がしてならない
 
 
 
タン ポンポンと
 
確かに 鼓の音が聞えて来そうである
 
 
 
未だ雪深い皆さま方 もう少しの辛抱ですね 頑張りましょうね!
 
 
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