風花に乗って来たる白鳥

 
 
 病院から 帰ると 青森・藤崎から 白鳥が飛来した多くの写真が届いていた 私はお陰さまで すっかり風邪引きから元気を取り戻し 風花と一緒に飛んで来たと言う白鳥の群れの写真をしみじみと見入る 毎年のことながら やはり嬉しい 便りをくれるのは 西目屋村に住む白神山地のガイドをしている友人からだ 父上まではマタギであった 本人もマタギを志したが 父親から 滔々と説教を食い マタギは父上の代で廃業された 彼は 仕方なく村役場に勤めながら 休暇を利用しては 白神山地に広がるブナの原生林のガイドをしている シャイないい若者である
 
 一年は短い あっと言う間に 今年は終わろうとしている しばらく留守をしたツケで 会社の若干の仕事を終え お茶を飲みながら BSで『喜びも悲しみも幾年月』(木下恵介監督)の古い映画を観た 昭和一桁代から 三十年以上に渡って 日本各地の灯台守をして来た夫婦の話である 如何にも古い映画だけれど こんな地味な映画をコツコツ撮った木下恵介と言う監督は凄い お陰で何度か泣かされた 美しい映像であり 人々の情愛が細やかに描かれていた 多分この続編は見ているかと思う 今では無人操作になって 人は常駐しなくなった全国七百五十箇所にも上る灯台には このような地道な仕事をして来た人がいたのかと思うと もうそれだけで胸が熱くなる 明治元年十一月一日に 横須賀の観音崎灯台に点灯したのが最初だと言う 酒を飲んで熱っぽく この主題歌を高歌放吟していた父を ふと思い出す そう言えば当社も縁の下の仕事である
 
 当社は ビル所有だけで言い訳はないのであり メンテナンスや警備など 関連会社の皆さんの努力によって 格安で綺麗なテナントビルとして成り立っている 雪の日の名物は 全社員が朝五時に 会社に全員集合が掛かる そしてあらゆる駐車場の出入り口の雪かきを 逸早く済ませておく 社用車が出る頃には 雪で出られないと言うことは在り得ないようにしている 今年の冬は何度そんな雪の日があろうか 大勢のお掃除の人達等のお陰で テナント業が成り立つ ボイラーマンから 設備配電担当 高所よりぶら下がって窓拭きをする人達 『駕籠に乗る人 担ぐ人』の喩えではないが 彼らは現代の灯台守かも知れない 私は彼らの顔と名前を全部知っている 直接の社員ではないが なるべく逢って「お疲れ様です」と声を掛ける どれほど有り難いと思っていることだろうか 
 
  話は又前に戻るが 藤崎では餌付けをしているらしい どうなんだろうか 餌付けはいいことなのだろうか 以前猪苗代湖に行った時も 白鳥の餌付けを見た 北海道の風連湖ではどうなんだろう 丹頂鶴の里も餌付けであった 新潟にも白鳥は飛来するらしいが それもどうだろう 餌付けはいいことなのだろうか 私には分からないが 少なくとも 遠くから飛来して来た白鳥や雁や鴨達にやさしいこころを持つのは 反対ではない だが餌付けしなくても 餌がある状況にするのが 先決であろう
 
 今や騙した方が勝ちみたいな風潮ばかりで 嘆かわしい限りだ 連日のように詐欺や幼女誘拐殺人や耐震構造になっていない大欠陥マンションなどの報道で辟易としている 連日列島のすべてが殺伐としているかのようだ 最近新聞やテレビの報道など見たくもない 一方では生真面目に せっせと働いている人が大勢いると言うのに 情けない話であろう 集団自殺なども やるんなら 勝手にやればいいじゃないかと思っても やはり親御さんの痛いこころを察すると そうも言っていられまい 仕事を出す側の壁が余りにも高いのかも知れない 高度な知識や智恵があるものだけが いい思いをして生き残り 何の資格もない人々は簡単に棄てられ脱落していいものか 自分が出来る範囲の中から 生真面目に頑張る人達を 精一杯応援して 一緒になって生きればいいことであるが・・・・・・・・
 
 十二月は哀しい月であり 美しい月である さぁもう一頑張りしようじゃないか!
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